警視庁捜査員を告発 大川原化工機 公文書毀棄疑い

 「大川原化工機」の社長ら幹部が外為法違反罪などに問われ、起訴が取り消された事件を巡り、同社側は25日、公文書毀棄(きき)と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで、捜査当時の警視庁公安部の捜査員2人を同庁に刑事告発した。元取締役島田順司さん(70)の弁解録取書を破棄し、過失だったかのような虚偽の報告書を同庁に出した疑いがあるとしている。
 同社側によると、捜査員2人は男性で、島田さんの取り調べを担当した警部補と、捜査を指示する立場だった上司の警部。島田さんは「組織として検証し、このようなことが起きないようにしてほしい」と話した。
 事件を巡っては、東京地裁が昨年12月、東京地検と警視庁の捜査の違法性を認定し、国と東京都に計約1億6千万円の賠償を命じた。国と都、同社側が控訴している。
 関係者によると、弁解録取書の破棄や経緯を記した報告書について、取り調べに同席した別の捜査員が「(警部補に)はっきり言っておけばよかった。まずいですよと。よくこんな報告書が作成できるよな」などと疑問を呈するメモを公安部内で共有していた。この捜査員はその後「警部補が隠蔽(いんぺい)目的で廃棄したことはないと思う。誤廃棄だった」などと、メモとは趣旨が異なる陳述書を東京高裁に提出している。
 判決などによると、霧状の液体を熱風で粉末化する「噴霧乾燥装置」を中国に無許可で輸出したとする容疑で社長ら3人が逮捕された2020年3月、警部補は当時取締役だった島田さんの言い分などを聞き取る弁解録取を実施したが、説明とは別の内容を記載。署名後に気付いた島田さんから抗議を受け、弁解録取書を裁断し、「過失で裁断した」とする報告書を公安部幹部に提出した。判決は「安易に破棄することは考え難い」としたが、都は反論している。

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