公文書デジタル化30%だけ 22年度、出先機関で進まず

 政府の公文書のデジタル化が遅滞している。内閣府調査によると、2022年度の各府省庁・機関のデジタル化割合を平均したところ30・8%にとどまった。森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんを受けて、22年度から電子ファイルによる公文書作成・保存を原則としたものの、出先機関を中心に取り組みが進んでいないのが現状だ。

府省庁・機関の公文書デジタル化割合
府省庁・機関の公文書デジタル化割合

 内閣府が調査したのは、新たに作成・取得した文書を関連ごとにまとめた「行政文書ファイル」のデジタル化割合。21年度までに作成して保存中の文書は含まない。
 千件以上保有する政府機関を比べたところ、最も進んでいたのが海上保安庁89・8%で、消費者庁87・5%、総務省86・1%と続いた。逆に遅れていたのは厚生労働省と公安調査庁がともに2・5%で最低。出入国在留管理庁4・7%、法務省5・1%となり、濃淡が浮き彫りになった。
 内閣府関係者によると、厚労省の場合、ハローワークなどの出先機関で紙による申請、文書管理が続き、デジタル化が浸透していないという。事件事故など治安、警備に関係する省庁は、情報管理を理由にデジタル化に踏み込みにくいようだ。
 政府関係者は、紙の文書を電子化する機材の不足も指摘。文書が大量になると作業が追い付かないとみられ「デジタル行財政改革を進めるため、各部局で着実に取り組んでほしい」と注文した。
 政府は公文書の履歴を管理し、所在把握を容易にするためデジタル化を推進している。22年度からは業務が非効率になる場合などを除き、電子媒体での管理を原則とした。

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