政府、外交公電漏えいに危機感 サイバー強化急ぐ、法整備検討

 在外公館と外交公電をやりとりする外務省のシステムが2020年に中国からサイバー攻撃を受け、情報漏えいしていた事実が明らかになり、政府は5日、危機感を強めた。機密情報を含み秘匿が前提となる公電の漏えいは、他国との情報交換の支障となりかねないためだ。防衛体制の強化に向け、担当職員の増強や、攻撃に先手を打って被害を防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた法整備の検討を急ぐ。
 外交公電は、外務省本省と在外公館の間で交わす公式の電信で、通常のインターネットとは遮断された仮想専用線システム「国際IPVPN」で送受信している。相手国の情報や外交交渉の状況なども記されるため、政府のサイバー部門幹部は情報漏えいを「極めて異例の事態で、あってはならないことだ」と指摘。外務省関係者は「機密情報が漏れるようでは、外国から信用されなくなる」と懸念する。
 漏えいの規模や公電の内容、発覚の経緯は明らかになっていない。岸田文雄首相は5日の衆院予算委員会で、自民党議員から対策強化を求められ「対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させる」と強調。能動的サイバー防御の導入法案に関しても「可能な限り早期に示せるよう、検討を加速している」と述べた。
 政府機関へのサイバー攻撃や不正アクセスの監視を担う内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の職員を24年度に倍増させ、体制を強化する。新たに次官級、局長級の幹部も配置する。将来的にはNISCを発展的に改組し、サイバー安全保障政策を統括する新組織を創設する方針だ。米国や同志国と連携した情報収集・分析も強化する。

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