高浜2号機、12年ぶり再稼働 40年超原発の3例目

 関西電力は15日、高浜原発2号機(福井県高浜町、82・6万キロワット)の原子炉を起動し、2011年11月に定期検査入りして以来、約12年ぶりに稼働させた。東京電力福島第1原発事故後、国内で再稼働した原発は12基目。事故の教訓を踏まえた原子力規制委員会の新規制基準の下、関電の全原発7基が再稼働したことになる。

関西電力の高浜原発2号機(左)と1号機=7月、福井県高浜町
関西電力の高浜原発2号機(左)と1号機=7月、福井県高浜町
高浜原発2号機の再稼働作業が進む中央制御室=15日午後、福井県高浜町(関西電力提供)
高浜原発2号機の再稼働作業が進む中央制御室=15日午後、福井県高浜町(関西電力提供)
関西電力の高浜原発2号機(左)と1号機=7月、福井県高浜町
高浜原発2号機の再稼働作業が進む中央制御室=15日午後、福井県高浜町(関西電力提供)

 高浜2号機は1975年の営業運転開始から47年が経過。国内では、7月に再稼働し、営業運転開始から48年となる高浜1号機に次いで古い。新規制基準下での40年超原発の稼働は関電美浜3号機(同県美浜町)、高浜1号機に続いて3例目。関電の原発は、再稼働が進む一方、構内の燃料プールにたまり続ける使用済み核燃料の行き先確保が急務となっている。
 岸田政権は昨年、原発の最大限活用を打ち出し、今年5月に60年を超える運転を可能とする法律が成立、高経年化(老朽化)した原発の安全性向上も課題だ。
 15日午後3時、中央制御室では県や高浜町の職員が見守る中、運転員らが指さし確認をしながらタッチパネルを操作、原子炉を起動させた。
 関電によると、16日に核分裂が安定して続く「臨界」に到達、20日に発送電を始める。10月16日に営業運転に入る見通し。福井県の杉本達治知事は「関電の全原発が再稼働した。事業者はこれまで以上に慎重かつ安全な運転に努め、原子力に対する県民の信頼を得ていかなければならない」とのコメントを出した。
 使用済み核燃料を巡っては、関電の燃料プールが5~7年程度で満杯になる見込み。このため関電は、中国電力とともに山口県上関町で一時保管のための中間貯蔵施設の建設を検討しているが、先行きは不透明だ。
 高浜2号機は、今夏の電力安定供給に向け7月の再稼働を予定していたが、規制委から火災防護対策が不十分との指摘を受け9月にずれ込んだ。

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