マイナ精査が必要、332自治体 総点検、データひも付け確認
デジタル庁は6日、マイナンバーの総点検で、各種情報とのひも付けに誤りがないかどうか個別データの精査が必要なのは、全体の約2割に当たる332自治体と発表した。今後、自治体は障害者手帳や税金などに関するデータの確認を進める。原則11月末までの完了を目指すが、確認に時間がかかり、長引く可能性もある。
障害者手帳はひも付け誤りが相次いだため、事務を担う47都道府県や20政令指定都市などに全数の精査を要請。税金や児童手当など他の項目は、ひも付け作業の際に本人確認が不十分だった自治体を対象とした。
デジタル庁は8月下旬時点で対象自治体を「400~500程度」と見込んでいた。同庁は自治体から詳しく状況を聞き取った結果として減ったとしている。
自治体以外では労災保険の遺族補償年金支給に関し、ひも付け誤りが見つかった徳島労働局鳴門労働基準監督署を労災年金データの精査対象とした。
デジタル庁が自治体に示した精査の手順は、まずマイナンバーと氏名、生年月日、性別、住所について、各種制度で管理する情報と住民基本台帳を照合。一致しない場合は電話や郵送で本人に直接確認する。「本人からの返答がなく、12月以降も作業が継続する可能性がある」と完了がずれ込むことも容認している。
デジタル庁によると、マイナンバーのひも付けを行う団体は自治体や健康保険組合など約6千ある。健保組合などは作業を先行して進めており、これらを含めると約2千が個別データ精査の対象になった。
マイナンバーを巡っては5月以降、健康保険証や公金受取口座、障害者手帳などで、誤って他人の情報とひも付けるミスが次々と判明。政府はマイナカード取得者向けサイト「マイナポータル」で閲覧可能な医療や福祉、税といった情報の総点検を進めている。
マイナンバー 国内に住む全ての人に割り当てられた12桁の番号。行政機関の間で住民データを効率的にやりとりするのが目的で、2016年に利用が始まった。マイナンバーカードには番号や顔写真、氏名などが記載され、身分証明やオンラインでの行政手続きの本人確認に使う。カード取得は任意。総務省によると8月末時点で保有枚数は8988万7405枚、人口に対する割合は71・7%。政府は来年秋に現行の健康保険証を廃止してマイナカードに一本化するとしている。