接種逃した世代への勧奨急務 子宮頸がんで報告書

 国立がん研究センターは2日、ヒトパピローマウイルス(HPV)が引き起こす子宮頸がんの国内の現状や予防策をまとめた報告書をウェブサイトで公表した。同センターの片野田耕太データサイエンス研究部長は「子宮頸がんはワクチンと検診によって予防できる。積極的勧奨の中止で接種を逃してしまった世代への対応が急務だ」と呼びかけている。
 報告書では、子宮頸がんの死亡率が減少傾向の諸外国に対し、国内では横ばいが続いているデータを紹介。1990年前後には英国やオーストラリア、米国よりも低かった日本の死亡率が、現在は上回っていると指摘した。罹患率も増加傾向で、近年は特に20~40代の若年層が増えている。
 HPVワクチンは子宮頸がんに対して高い予防効果があるが、接種時の年齢が上がるほど効果が弱くなることから、定期接種対象の小学6年~高校1年相当の女子の接種を推奨。積極的勧奨を受けておらず接種を逃した人が多い97~2006年度生まれの女性は、ワクチン接種に加え、20歳以上でのがん検診による2次予防が重要という。
 また、自治体による接種記録の保存期間は5年で、記録が破棄されたケースも判明。「子宮頸がん対策はワクチン接種から診断、治療、ケアまで包括的な実施が重要」として「接種や受診の記録を一元的に管理できる制度の構築が必要だ」と強調した。
 HPVワクチンを巡っては、13年から定期接種が始まったが、全身のしびれなどの訴えが相次ぎ、積極的勧奨を中止。有効性や安全性が確認されたとして22年4月から勧奨を再開した。

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