ヘルプマーク、一目で 障害者、職場や災害時活用
目に見えない障害や疾患があり、配慮が必要な人のための「ヘルプマーク」がデザインされたリストバンドを、発達障害当事者協会(東京)とメーカーが共同開発した。災害時の避難や職場で活用できるほか、表面には文字を書き込めるので、認知症の人のメモ帳代わりにもなる。1本1500円。4月末までクラウドファンディングで購入希望を募っている。

ヘルプマークは赤地に白十字とハートが描かれたもので、東京都が考案し全国に普及。かばんなどにひもでぶら下げることが多いが、取り外しが面倒で、人目に付きにくいなどの課題があった。
樹脂製のリストバンドを製造・販売している「コスモテック」(東京)が、ヘルプマークを組み合わせてはどうかと同協会に相談し、商品化が決まった。手首に当てるだけで簡単に装着可能。表面は特殊加工が施され、ボールペンで文字を書き、何度でも消せる。
発達障害の一つ「注意欠陥多動性障害(ADHD)」や認知症の人は物事を忘れやすいが、ちょっとした予定を書いておくのに便利だ。声が出せない難病の人や聴覚障害者は筆談にも使える。
同協会の嘉津山具子事務局長は「災害時に大勢の人が集まる避難所や、障害者雇用の場で、配慮が必要な人がどこにいるのかすぐに分かる。自治体や企業で備蓄してもらえれば」と話している。