水俣病問題の国際発信を訴え 第1次訴訟判決50年で集会
熊本地裁が水俣病の原因企業チッソの責任を認めた熊本水俣病第1次訴訟判決から20日で50年を迎えるのを前に、患者団体「水俣病互助会」などが19日、熊本県水俣市で記念集会を開いた。参加者らは「裁判して良かった」などと当時を振り返る一方、水俣病問題を国際的に広く発信する必要性を訴えた。

集会では、チッソの社員でありながら、患者を支援してきた山下善寛さん(82)が「日本だけでなく世界に水俣病を発信する必要がある」と主張した。
夫で写真家の故ユージン・スミスさんと共に水俣病を世界に伝えたアイリーン・美緒子・スミスさん(72)は「世界の公害に苦しんでいる人に判決を伝えることが大切。どんなに勇気をもらえるか」と訴えた。
原告の一人で、胎児性水俣病患者の坂本しのぶさん(66)は集会後、取材に応じ「裁判して良かったと思う。後の人につながったから」と語った。