「沖縄問題が全て頭に」と長男 西山太吉さんと最後の会話できず
「原稿用紙を渡すと資料を見ずに本を3、4日で書いていた。(沖縄の基地問題などが)頭に全て入っていた」。24日死去した元毎日新聞記者西山太吉さん(91)の長男正人さん(62)は、昨年も著書を出版して沖縄返還を巡る日米密約を追及し続けた父親を振り返った。共同通信の電話取材に25日応じた。

正人さんは、太吉さんの性格を「昭和の頑固じいさん」と表現。人にこびないため敵も多いが、長い付き合いの友人も多かったという。一方で「寂しがり屋」で、就寝時は電気もテレビもつけっ放しだった。晩年は猫をこよなく愛し、一緒に過ごした。
正人さんが若い頃、太吉さんは仕事一筋で家にはほとんどおらず、日曜日の夕食ぐらいしか時間を共にすることはなかった。24日は介護施設から連絡を受けて駆け付けたが「最後の会話ができなかった」と悔やんだ。