コロナ診療、一般病院で 5類移行後1・5倍に拡大

 新型コロナウイルスの5類移行後の医療体制を巡り、政府が数カ月~1年程度の移行期間を設けた上で、内科・小児科など季節性インフルエンザを診療する約6万4千の一般の医療機関でコロナ患者を診る体制への移行を目指していることが17日、分かった。公費負担の対象となっているコロナの医療費のうち、検査や解熱剤については移行日の5月8日から自己負担を求める方向で検討している。

新型コロナ5類移行後の医療体制ポイント
新型コロナ5類移行後の医療体制ポイント

 コロナ感染が疑われた際に受診する発熱外来は現在全国で約4万2千施設あり、診療体制が約1・5倍になる計算だ。移行期間中に施設数の拡大を図る。
 入院は現在、全国に約2千施設ある重点医療機関で主に受け入れているが、移行期間を経て、幅広い医療機関で受け入れる体制を目指す。仮に精神科病院(約千施設)を含む全国の約8200病院が受け皿になれば、入院できる施設は4倍超に増える。
 移行期間中には、患者を受け入れる際の診療報酬の特例や病床確保料を徐々に縮小する方向。個室単位での柔軟な患者の受け入れを呼びかける院内感染対策ガイドラインの周知や、設備整備の支援も検討している。
 医療費は現在、医師が必要と判断した検査の費用や入院費、コロナ診断後から療養期間終了までの治療費などが公費で負担されている。5月8日からはインフルエンザと同様に検査費用や解熱剤などの薬は自己負担を求める案を検討している。
 治療薬の中には、1人の治療にかかる薬価が10万円を超える高額なものがある。こうした薬については当面、公費負担を続ける必要があるとの意見が政府内にある。
 現在行政が担っているコロナ患者の入院調整は、5類移行後も当面、感染拡大時のほか、重症者や妊婦などに対しては続ける方向で検討している。将来的には原則医療機関の間で調整する体制への移行を目指す。
 政府はこれらの5類移行後の医療費公費負担や医療提供体制について関係者とさらに調整し、3月上旬をめどに具体策を示す方針。

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