御嵩町、希少植物移植で懸念も リニア残土で勉強会

 JR東海のリニア中央新幹線工事に伴う残土の処分場候補地がある岐阜県御嵩町は5日、住民との勉強会を開き、候補地にある「重要湿地」の希少植物を別の場所に移植する計画を改めて説明した。専門家からは、植物には多様な遺伝的タイプが混在しているので個々の自生地が重要だとして、移植に懸念を示す声が上がった。

JR東海のリニア中央新幹線工事に伴う残土の処分場候補地がある岐阜県御嵩町が開いた住民との勉強会=5日午後
JR東海のリニア中央新幹線工事に伴う残土の処分場候補地がある岐阜県御嵩町が開いた住民との勉強会=5日午後

 候補地には環境省の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)の「絶滅危惧2類」に指定されるハナノキなどが分布。同省は重要湿地に選定しており、保全に向けた配慮が求められる。
 勉強会では、JR東海の担当者がハナノキの植生範囲を地図で示し、幼木や稚樹の移植計画への理解を求めた。一方、愛知学院大の富田啓介准教授は「移植には注意が必要。正直そのまま残してほしいと思う」と指摘、参加した住民から拍手が起きる場面もあった。
 町は勉強会後、記者団の取材に「意見を踏まえて今後の保全活動の詳細を詰める」などとし、処分場受け入れを判断する時期の見通しなどについては言及を避けた。

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