EU大使ら長崎原爆資料館を訪問 被爆者と面会、犠牲者へ黙とう
欧州連合(EU)のジャンエリック・パケ駐日大使らは3日、被爆地・長崎市の原爆資料館を訪問した。市によると、パケ氏の長崎訪問は初めて。田上富久市長や被爆者と面会し、原爆落下中心地碑で献花後に、犠牲者へ黙とうをささげた。

ロシアによるウクライナ侵攻で、核使用の脅威が高まっている。EUはウクライナを支援する上で、1945年の原爆投下から復興の道を歩んだ長崎との連携を深めたい考え。
資料館では、田上市長がパケ氏やEU加盟国の駐日大使ら約20人に、原子雲の写真を示しながら核廃絶を訴えた。県被爆者手帳友の会の朝長万左男会長も講話し、自身の被爆体験や、原爆が人体に及ぼす影響などを説明したといい、講和後の取材に「(大使らは講話の内容を)それぞれの国民に伝え、核なき世界の実現につなげてほしい」と訴えた。
パケ氏は、資料館訪問後の記者会見で「ロシアによるウクライナ侵攻が続く今だからこそ、世界の人々が長崎を見ることが大切だ」と話した。