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ANAと日航、そろって最終黒字 コロナ拡大後で初、回復傾向鮮明

 ANAホールディングスと日本航空の大手航空2社が2日発表した2022年4~12月期連結決算は、両社とも純損益が黒字となった。各四半期の決算を含め、最終的な損益がそろって黒字となるのは通期の20年3月期以来で、新型コロナウイルス感染拡大後で初めて。JR各社も黒字転換が相次いでおり、コロナ禍で深刻な打撃を受けた運輸業界の回復傾向が鮮明となっている。

羽田空港の駐機場に並ぶ全日空機と日航機
羽田空港の駐機場に並ぶ全日空機と日航機

 ANAは売上高が前年同期比70・5%増の1兆2586億円、黒字額は626億円(前年同期は1028億円の赤字)。日航は売上高が約2・0倍の1兆55億円、黒字額は163億円(同1283億円の赤字)だった。
 いずれも政府の水際対策緩和で訪日外国人が増加したことに加え、全国旅行支援でレジャー需要が活発化。国内線、国際線ともに旅客が増加した。中でも「北米やアジア路線が好調だ」(ANAの中堀公博上席執行役員)という。
 23年3月期の業績予想は、ANAが上方修正。一方、日航は足元の国内線の改善が計画を下回っているとして下方修正した。コロナ禍以降、無配を続けてきた両社だが、日航は23年3月末の復配(1株20円)を決めた。ANAは無配を続ける。
 一段の業績改善に向けては中国路線の復活が鍵を握る。日中両政府の対応で旅行目的の渡航は制限されており、便数も絞られているのが現状だ。日航の菊山英樹専務執行役員は「中国は(潜在的な)訪日客の数が多い」と述べ、規制が緩和されれば業績が上振れするとの見方を示した。
 JR各社では、これまでに東日本、東海、西日本が22年4~12月期連結決算を発表しており、いずれも黒字だった。

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