オデッサを世界遺産登録 ユネスコ、ウクライナ南部

 【パリ共同】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は25日、パリで臨時会合を開き、ウクライナ南部オデッサの歴史地区について世界遺産登録を決定した。ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、存続が危ぶまれる「危機遺産」に指定した。
 「黒海の真珠」とたたえられるオデッサは18世紀後半の露土戦争後、ロシア皇帝エカテリーナ2世の港湾建設で都市として発展。通商で多くの民族・文化的背景の人々が集まり、多様な都市遺産を生み出したとされる。
 ユネスコのアズレ事務局長は声明で「戦争が続く中、世界遺産登録は、この町を破壊から守る私たちの決意を示している」と訴えた。
 委員会は決定で、オデッサの歴史地区を「さまざまな建築スタイルが東欧における重要な人的交流を示し、多くの文化の共存を反映している」と評した。
 登録の事前審査を行うユネスコ諮問機関は評価文書で、ロシアのウクライナ侵攻が「オデッサの歴史地区を脅かしており、都市遺産の保存に断固とした行動が求められる」と指摘した。
 ロシアの代表は会合で、ウクライナの申請内容は表面的で登録可否を判断できないとして審議の無期限延期を求めたが、採決で否決された。
 ウクライナは昨年10月、登録を緊急申請した。世界遺産に被害を及ぼす行為は条約で禁じられている。
 オデッサではロシアによる昨年7月のミサイル攻撃で、歴史地区の建物の窓やガラス屋根が割れるなどの被害があった。

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