希少植物の移植計画を提案 岐阜・御嵩町、リニア残土候補地
JR東海のリニア中央新幹線工事に伴う残土の処分場候補地がある岐阜県御嵩町は21日、JR東海や専門家らによるフォーラムを開催し、候補地にある「重要湿地」の希少植物を別の場所に移植して保全する計画を提案した。2月5日に住民と意見交換する方針。

候補地には環境省の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)の「絶滅危惧2類」に指定されるハナノキなどが分布し、同省は重要湿地に選定している。開発行為を法的に規制する効力はないが、保全に向けた配慮が求められる。
町は昨年12月の現地調査に参加した専門家の見解を基に「移植先でハナノキを育てるには、日当たり改善のため周囲の木を伐採しなければならない」と説明した。住民からは「候補地を変える検討をするべきだ」など批判的な意見が相次いだ。
これまで町は、候補地は重要湿地に近接するとしていたが、21日のフォーラムでは重要湿地の中に候補地があると説明した。フォーラム後、記者団に渡辺公夫町長は「解釈に違いがあった」と釈明した。
渡辺町長は2021年9月、処分場設置についてJR東海と協議入りすると表明。受け入れを懸念する声があり議論が続いている。フォーラムは昨年5月に始まり、今回で5回目。