作家平野啓一郎さん、核廃絶訴え 長崎で記念講演会

 長崎大核兵器廃絶研究センターの創設10年を記念した講演会が21日、長崎市で開かれ、会場とオンラインを合わせて約500人が参加した。「核なき世界の想像/創造」がテーマで、登壇した芥川賞作家の平野啓一郎さんが「そもそも核兵器は人類に必要なのかを考えるところから始め、社会のあるべき姿を構想しよう」と核廃絶を訴えた。

「核なき世界の想像/創造」をテーマに講演する、作家の平野啓一郎さん=21日午後、長崎市
「核なき世界の想像/創造」をテーマに講演する、作家の平野啓一郎さん=21日午後、長崎市

 核廃絶に関心を抱く平野さんは2016年、被爆2世の女性を主人公の一人として描いた「マチネの終わりに」を出版。
 講演では感銘を受けた作家として、長崎での被爆体験を原点に執筆を続けた故林京子さんを挙げ、「祭りの場」や「長い時間をかけた人間の経験」などの作品を紹介。「数としてカウントされるだけではない、一人一人の死者の姿が記録されている」と評価した。
 質疑応答の時間も設けられ、今年で被爆78年を迎えるに当たって「日本の戦争文学はどうあるべきか」という会場からの質問に、平野さんは「現代の戦争から、過去の日本の戦争とは何だったのかと振り返る視点が必要だ」と答えた。
 長崎大核兵器廃絶研究センターは、核廃絶の教育・研究機関として12年4月に設立された。

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