首相、コロナ5類への移行表明 今春、マスクや外出自粛見直し

 岸田文雄首相は20日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを、今春に季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げると表明した。関係閣僚と官邸で協議し、移行に向け具体的な準備を進めるよう指示した。マスク着用の考え方や感染対策の在り方、感染者や濃厚接触者の外出自粛についても見直すとしており、3年にわたり続けてきた政府の新型コロナ対策は平時に向け大きな転換点を迎える。

新型コロナに関する関係閣僚協議を終え、記者団の取材に応じる岸田首相=20日午前、首相官邸
新型コロナに関する関係閣僚協議を終え、記者団の取材に応じる岸田首相=20日午前、首相官邸
首相官邸に入る岸田首相=20日午前
首相官邸に入る岸田首相=20日午前
JR東京駅前で、マスク姿で通勤する人たち=20日午前
JR東京駅前で、マスク姿で通勤する人たち=20日午前
新型コロナに関する関係閣僚協議を終え、記者団の取材に応じる岸田首相=20日午前、首相官邸
首相官邸に入る岸田首相=20日午前
JR東京駅前で、マスク姿で通勤する人たち=20日午前

 移行の具体的な時期は今後、厚生労働省の感染症部会で専門家の意見を聞き、正式に決める見込み。政府内では4月など複数の案が浮上している。首相は現在の医療提供体制や公費支援などの措置を段階的に移行する方針を表明した。
 新型コロナは感染症法上、結核などの2類よりも幅広い措置が可能な「新型インフルエンザ等感染症」に位置付けられている。全国的に急速にまん延し、国民の生命や健康に重大な影響を与える恐れがあることが要件だが、オミクロン株への置き換わりやワクチン接種の普及により致死率が低下したことを受け、該当しないと判断したとみられる。
 長期にわたる対策が、少子化の加速や高齢者の活動性の低下、経済の停滞などの原因となっているとの指摘もあり、自治体や経済界から見直しを求める声が出ていた。
 5類になれば医療費に原則自己負担が生じるが、経過措置として当面は公費負担を継続するとみられる。感染者で7日間、濃厚接触者で5日間の待機期間はなくなる見通し。緊急事態宣言などを定める新型コロナ対応の特別措置法の対象外となり、政府の対策本部は廃止される。
 ワクチン接種について首相は、5類への移行にかかわらず予防接種法に基づいて継続すると述べた。
 厚労省の専門家組織は11日、新型コロナの法的位置付けに関し「必要な準備を進めながら段階的に移行していくことが求められる」との見解を公表している。

あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞