コスト価格転嫁せず、13社公表 公取委、下請けに地位乱用の恐れ

 公正取引委員会は27日、原材料費やエネルギー価格などのコストが上昇しているのに、下請け企業との取引価格に適切に転嫁しなかったとして、佐川急便やデンソーなど13の企業・団体を公表した。独禁法や下請法の違反には当たらないが、独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」につながる恐れがあると判断した。
 公取委は、コスト上昇が多くの中小企業の経営に影響を与えている中で、立場が弱い下請け企業が望む価格転嫁が十分に進んでいないとみている。社名公表という踏み込んだ対応で改善を促す。中小企業の賃上げ環境を整備したい狙いもある。
 取引価格を巡る緊急調査の結果、13社は多数の取引先に対して明示的に協議せず価格を据え置いたという。ほかに公表されたのは全国農業協同組合連合会(JA全農)や不動産管理の東急コミュニティー、豊田自動織機、ディスカウント大手のドン・キホーテ、三菱食品など。
 公取委は、今年6月から受注者側8万社と発注者側3万社に対して順次、書面や立ち入りでの調査を進めてきた。これらのうち、価格転嫁の協議をしなかったり、価格引き上げの要求に応じなかったりした4030社に対して注意喚起の文書を送付した。社名を公表した13社は、取引価格が据え置かれたとの受注者側からの指摘が特に多かった。
 デンソーは「法令順守の徹底に取り組む」とコメントした。

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