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太ってる人、貸します! 悩みの相談、一緒に食事… 「デブ」前向きな言葉に【スクランブル】

 「太っている人に悩みを相談したい」「よく食べる人と一緒に食事がしたい」―。そんな願いをかなえてくれるレンタルサービスが静かなブームだ。ホームページに写真が掲載された体重100キロ以上の男女からお気に入りを選ぶ「デブカリ」。太っている人に付きまといがちな「怠惰」「不健康」といったイメージを払拭する狙いもあり、運営会社の代表は「『デブ』を前向きな言葉に変えたい」と意気込む。

デブカリに登録している天谷窓大さん(マイコーさん提供)
デブカリに登録している天谷窓大さん(マイコーさん提供)
デブカリに登録している天谷窓大さん(マイコーさん提供)
デブカリに登録している天谷窓大さん(マイコーさん提供)
マイコーさん(中央)とデブカリのメンバーら(マイコーさん提供)
マイコーさん(中央)とデブカリのメンバーら(マイコーさん提供)
昨年5月に登録し、関西地方を中心に活動する愛称「おこめにぎにぎ丸」の女性(マイコーさん提供)
昨年5月に登録し、関西地方を中心に活動する愛称「おこめにぎにぎ丸」の女性(マイコーさん提供)
デブカリに登録している天谷窓大さん(マイコーさん提供)
デブカリに登録している天谷窓大さん(マイコーさん提供)
マイコーさん(中央)とデブカリのメンバーら(マイコーさん提供)
昨年5月に登録し、関西地方を中心に活動する愛称「おこめにぎにぎ丸」の女性(マイコーさん提供)

 代表の「マイコー」(本名・横尾美徳)さん(46)はアパレル会社に勤務していた約7年前、肥満気味の知人から「太っている男性も着られるおしゃれな服を作ってほしい」と相談された。「当たるかもしれない」と、大きめサイズの専門店を立ち上げたものの、広告のモデルになる太った男性が見つからず、昨年4月にデブカリも始めた。
 マイコーさんは「太った人が活躍できる場がもっとあってもいいのではないかと思ったのです」。登録料を受け取った後は「デブ」とユーザーが直接やりとりする仕組みで、既に全国の200人以上が登録。悩みの相談相手から引っ越しの手伝いまで、各地のあらゆる依頼に対応している。
 身長165センチ、体重110キロのライター天谷窓大さん(39)=東京都墨田区=は昨年6月に登録。外出先で見知らぬ女性に「あそこのデブの隣に集合!」と待ち合わせの目印にされ「失礼だ」と憤りを感じつつ「大きな体が人の役に立つかもしれない」と考え直したことがきっかけだった。
 焼きとうもろこしの屋台から「店先に立って、おいしそうに食べていてほしい」と頼まれたことも。屋台の前にできた長蛇の列に「デブが役に立ったと胸をなで下ろしました」と振り返る。
 兵庫県尼崎市の会社員光畑絵理奈さん(28)は今年10月、体重101キロの女性に頼み、大阪の水たばこ店に同行してもらった。結婚や転勤で気軽に誘える友人が少なくなり、偶然知ったデブカリを利用した。料金は1時間2千円。「太っている人は包容力があり、一緒にいるだけで安心できる」と絶賛する。
 関西地方を中心に活動する女性(26)は昨年5月に登録して以降、地元の観光案内や食べ放題への同伴といったオファーに対応してきた。
 新型コロナウイルス禍の外出制限でスポーツジムに通えなくなり、体重が102キロまで激増した。ダイエットも考えたが、「ストイックに体を鍛えていたときより心に余裕が生まれている」と実感。活動を通じて「太った女性に自信を与えたい」とも考えている。

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