追っかけわたしの特集

特集 : NEXT特捜隊

シールド VS マスク 徹底検証しました【NEXT特捜隊】

 「マウスシールドは感染症予防にどれだけの効果があるのでしょうか? マスクも含めて効果や欠点を教えてもらえたら…」。静岡新聞「NEXT特捜隊」に静岡市葵区の30代女性から声が寄せられた。マウスシールドを付けてテレビに出演するタレントを見ていて違和感を抱いたという。新型コロナウイルスの収束はまだ見通せず「正確な情報が知りたい」と訴えた。 

マスクやフェイスシールドの効果
マスクやフェイスシールドの効果
スーパーコンピューター「富岳」による不織布マスク装着時の飛沫抑制効果のシミュレーション(提供・豊橋技術科学大)
スーパーコンピューター「富岳」による不織布マスク装着時の飛沫抑制効果のシミュレーション(提供・豊橋技術科学大)
マスクやフェイスシールドの効果
スーパーコンピューター「富岳」による不織布マスク装着時の飛沫抑制効果のシミュレーション(提供・豊橋技術科学大)

 ⇒NEXT特捜隊 LINEの友だち追加はこちら
 シールドだけは×
 マウスシールドは透明のプラスチックフィルムで、口元だけを覆う防護具。主に飲食店や接客業の従業員が活用している。同じくプラスチックフィルムで顔全体を覆う防護具としてフェイスシールドがある。
 スーパーコンピューター「富岳」を使った飛沫[ひまつ]予防効果のシミュレーション実験に取り組んだ豊橋技術科学大の飯田明由教授に聞いてみた。
 実験したところ、フェイスシールドやマウスシールドは、吐き出した飛沫の1割から2割ほどしか捕まえられず、効果はほとんどない―との結果が出た。
 飯田教授は「マウスシールドは感染対策に効果はありません。公の場面で使用していると、誤解されるので控えるべきでしょう」と主張する。フェイスシールドについては「単体で使用するものではありません」。マスクとの併用を勧める。
 県立静岡がんセンターの倉井華子感染症内科部長も効果について同じ見解を示し、「飛沫防止にはマスクの着用が最適です」と話す。日常生活での感染対策には、やはりマスクが不可欠だ。

 場面ごと 考える
 一口にマスクと言っても不織布、布、ウレタンと素材はさまざまだ。感染を防ぐ効果に違いはあるのだろうか。
 豊橋技術科学大が参加した実験では、マスクの種類ごとに効果を検証した。吐き出した飛沫の捕集率は、不織布や布が8割、ウレタンは5割。不織布を着用した場合、外の飛沫を吸い込む量も3分の1に減らすことが可能だという。
 飛沫防止の効果が比較的高いとされる不織布マスク。ただ、鼻や口を覆う密着度から暑さや息苦しさを訴える人もいる。苦しさから口だけ覆って着用する「鼻出しマスク」も問題視されている。
 飯田教授は「『不織布は万能』『ウレタンは悪い』という切り分けは本意ではありません」とし、換気状態や室内屋外といった場面ごとに適した素材を選ぶことを提案する。
 たとえば、会話が多い場面では不織布が適しているが、換気のよい場所での買い物ならば「ウレタンでも問題はない」。外でジョギングする時に着用するのであれば「息苦しい不織布より、ウレタンでも大丈夫です」と助言する。
 倉井部長は「顔にフィットするマスクなら布でも不織布でも違いはないとみて良いでしょう」との見解。より重要視するのはマスクの取り扱い。「表面は汚染されていると考えて取り扱ってほしいと思います」。着脱時などマスクの表面に触れた場合、「手指を消毒するようにしましょう」と呼び掛ける。

 マスク 依然高い需要
 新型コロナウイルス感染拡大を受け、日常に欠かせなくなったマスク。国内感染者が初確認されてから1年が過ぎ、販売傾向はどう変わったのか。県内で86店舗を展開するドラッグストアの杏林堂薬局(浜松市中区)に聞いてみた。
 同社販売促進企画室の担当者によると、昨年2月から1年間のマスクの販売量は前年比で約4倍に増えたという。「不織布、布、ウレタンと種類に限らず需要の高い状態は続いています」と話す。中でも不織布マスクは、変異型ウイルスの感染者が県内で確認された1月中旬以降、販売量が一気に増加。1月下旬は上旬に比べて、約1.5倍売り上げた。「要因の一つとして、県の専門家会議で推奨する意見が出たことも考えられます」
 同社全店舗のなかでマスク販売の上位を占める静岡小鹿店(静岡市駿河区)を訪ねてみると、専用コーナーに限らず、あちこちにマスクやマウスシールドが陳列されていた。同社でマウスシールドの販売を始めたのは昨年8月。ちょうど感染者数も落ち着いた頃で引き合いもあったが、感染者が増加傾向に転じると「マスクへと戻っていった」(販売企画促進室)という。(TEAM NEXT編集委員 福田雄一)

いい茶0

NEXT特捜隊の記事一覧

他の追っかけを読む