ベランダ喫煙 階下からの煙とにおい気になる【NEXT特捜隊】

 「マンションの階下の住民が吸うたばこの煙とにおいに、悩まされています」

ベランダ喫煙のイメージ
ベランダ喫煙のイメージ

 読者の日常の困り事や疑問を取材、調査する静岡新聞社「NEXT特捜隊」に、静岡市駿河区の女性会社員(37)から悲痛な訴えが寄せられた。
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 階下のベランダでたばこを吸った場合、煙はどのように漂っていくのだろう。県立総合病院(静岡市葵区)で禁煙外来を担当している県立大の森本達也教授・医師に聞いた。
 たばこに含まれている微粒子状物質(PM2・5)は屋外で風のない時、10メートル先まで広がるという。上階と下階の間は3~4メートルほどだから十分に届く範囲だ。福岡県の産業医科大産業生態科学研究所の実験では、たばこの煙はサッシを閉めていても、レールの隙間から室内に入るとのデータもあるという。
 森本教授は「ベランダ喫煙は周囲への立派な迷惑行為です」と言い切る。
 たばこの煙から出るニコチンやタールなどの有害物質は、喫煙者が吸う煙(主流煙)に比べ、たばこの火から立ち上る副流煙に数倍多く含まれているという。森本教授は「たとえ非喫煙者でもほんのわずかな煙を吸っただけで、体へのリスクは高まります」と受動喫煙の影響を訴える。
 4月に全面施行された改正健康増進法では、職場や飲食店などは原則禁煙となったが、住宅は規制対象に入っていない。住民のベランダでの喫煙行為は規制できないのだろうか。
 県内で約60棟のマンションを管理する不動産会社に聞いた。「規約に『他人の迷惑になる行為はしないで』と記していますが、喫煙行為禁止までは定めていません」
 大きなトラブルに発展しないように、事態を沈静化させる方法はないだろうか。
 訴えを寄せてくれた女性のケースでは、取材を進める間に管理会社が間に入って話し合いが行われ、ベランダ喫煙は収まった。
 生活のトラブルに詳しい佐藤治郎弁護士(静岡市葵区)は「階下住民との直接交渉は絶対に避けるべき」とした上で「頭ごなしに『吸うな』と言うより本数を減らすとか、時間帯を限定するとか、条件を出してはどうでしょう」と提案する。さらに「ほかの住民に呼び掛け、規約を変えてしまうのも手ですね」と指摘する。
 「においに敏感になり、自分の部屋にいても落ち着かない日々が続きました。もうあの頃には決して戻りたくありません」。女性の言葉は重い。(TEAM NEXT編集委員 福田雄一)

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