どうしたら? 睡眠に響かない緑茶の飲み方は…【NEXT特捜隊】

 「夕食時に緑茶を飲むと夜何時間も眠れないことがあります。睡眠と上手に付き合えるお茶の飲み方を知りたいです」

睡眠と上手に付き合えるお茶の飲み方は…
睡眠と上手に付き合えるお茶の飲み方は…

 読者の日常の困り事や疑問を取材、調査する静岡新聞社「NEXT特捜隊」に、浜松市中区の50代女性から声が寄せられた。睡眠に差し支えのないお茶の飲み方を調べてみた。
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 女性が眠れないと感じ始めたのは新茶シーズンの5月ごろ。夕食と一緒に緑茶を飲んだら、床に就いても眠れなかったり、夜中に起きた後ぐっすり休めなかったりする日々が続いた。周囲に相談すると、20代や40代の友人が同様の経験があると答えたという。
 女性の悩みを解決しようと、県立大茶学総合研究センター(静岡市駿河区)を訪ねてみた。海野けい子客員准教授によると、緑茶には眠気防止につながる成分のカフェインが含まれている。夕方に緑茶を飲むと、カフェインが、眠りにつながる物質「アデノシン」を押しのけるように、脳内にたまっていく。このため、体は疲れているが眠りにくい状態になるという。
 体内に吸収されたカフェインは、約5~6時間で半分ほどに減る。海野客員准教授は「就寝の6時間前までに緑茶を飲むと、眠りにくさは解消されるのでは」との見方を示す。カフェインは茶の新芽の部分に多く含まれていることから、「新茶はカフェインの含有量が多い」とも指摘する。
 カフェインの抽出量を調整することはできないだろうか。カフェインは入れる湯の温度が高いほど溶け出しやすい。低い温度で入れると、量を比較的抑えることができる。リラックス効果のある成分「テアニン」を含むアミノ酸は、低温度の方が比較的多く溶け出す。
 ふじのくに茶の都ミュージアム(島田市)の白井満副館長は「低い温度の湯や水で入れると、テアニンがカフェインよりも多く溶け出し、快適な眠りにつながる」との見解を示し、「眠れないのが気になるのならば、濃いお茶を避けて、カフェインレスのお茶か水出し茶を選んでみては」と提案する。
 ただ、お茶を飲むと眠れなくなるかどうかは個人差はある。
 これらの解決策を女性に伝えた。早速試してみたという女性は「就寝6時間前に濃いお茶を飲んだら眠れました。水出し茶も良かったです。効果はありますね」と話した。(TEAM NEXT編集委員 福田雄一)

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