かんたん自然遊び【秋】木の実で表情豊かな野鳥を作ろう(山田辰美/常葉大名誉教授)

 秋の野山で採集した木の実を使って、野鳥を作ってみましょう。猫や犬などに比べると、親しみを感じる子どもが少ないかもしれませんが、鳥は個性的な色とスマートな体で、空を自由に飛べる実に魅力的な生き物です。

さまざまな木の実を組み合わせれば、オリジナルの野鳥ができるよ
さまざまな木の実を組み合わせれば、オリジナルの野鳥ができるよ
木の実で作る楽しい野鳥たち
木の実で作る楽しい野鳥たち
さまざまな木の実を組み合わせれば、オリジナルの野鳥ができるよ
木の実で作る楽しい野鳥たち

 昔の話ですが、とある大学の入試でニワトリを描かせる問題が出題され、4本足のニワトリを描いた受験生がいたという報道が、物議を醸したことがありました。現在の小学生も大学生も1~2割程度は、ニワトリを4本足で描くようです。子ども時代に本物の生き物に触れる自然体験や生活体験が不足している影響だと考えられます。鳥の姿や形をまねするだけでなく、せっかくなら、表情豊かなクラフトを楽しみましょう。
 素材の木の実をくっつけるには、木工用接着剤を使うのが一般的ですが、今回は素早く作業できるグルーガンをお勧めします。グルーガンは電気を使い固形のり(ホットメルト)を熱で溶かすもので、やけどに注意しましょう。
 木の実などの材料は、ここに紹介した物でなくても構いません。代用できる物を見つけ出すのは皆さんの工夫次第。世界に一つしかないすてきな作品になりますよ。
 野鳥は身近に暮らす野生生物です。お散歩で近所の公園、神社やお寺、池や川などに出掛ければ、すぐに野鳥が見つかります。家の軒下で繁殖したツバメはすでに南の国に帰りましたが、スズメやシジュウカラ、メジロ、ジョウビタキ、キジバト、カラスなどが忙しそうに動き回っています。体の色や鳴き声などの特徴はすぐ気付きますが、好きな食べ物やねぐらの場所、冬の過ごし方など、子どもと一緒に観察してみてください。図鑑で調べる楽しさも教えたいですね。
 (常葉大学名誉教授=藤枝市)

 *フクロウ
 ①松ぼっくりの下側(お尻)を正面にして、顔になるヤマイモ(自然薯)の実を接着する②目玉は、ナンキンハゼの種の表面の白い蝋[ろう]質を削る③羽はキリの実の半分を使う ④足はキリの実のヘタを、立たせる場所に合わせてから接着する
 *ウグイス
 ①体はアオギリの実を使う。へりに付いている種は、実が破れないようにそっと取る②ティッシュペーパー1~3枚を丸めて、おなかの膨らみを作り、アオギリの実に接着する③目 はドングリの殻斗[かくと]と黒い実で作る
 *おしゃべりカラス
 ①キリの実を頭にする。大きく開いている物を選ぶと笑顔に見える②胴体、羽、尾羽は、いろいろな木の実で代用できる③足はフクロウと同じ
 *鳥の巣
 ①クヌギの大きな殻斗をそのまま使う②鳥の卵は、食用のうずら豆、ジュズダマや大豆など
 

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