馬車鉄道、車両復元へ 御殿場の研究会、観光資源化を模索

 御殿場市と小山町の有志でつくる御殿場馬車鉄道研究会(菅沼弘会長)が、同市中心部と同町の山梨県境付近を往来した御殿場馬車鉄道の車両の復元を目指している。模型ではなく人を乗せて動く車両にする計画で、実現すれば全国的にも珍しいという。郷土の歴史を語り継ぐとともに、観光資源として地域活性化につなげたい考え。インターネットで資金を調達するクラウドファンディングを行っている。

御殿場馬車鉄道で使われていたレールを手に、車両の復元計画を語り合う研究会のメンバー=20日午前、御殿場市
御殿場馬車鉄道で使われていたレールを手に、車両の復元計画を語り合う研究会のメンバー=20日午前、御殿場市
御殿場馬車鉄道(御殿場市教育委員会発行の文化財のしおり「御殿場馬車鉄道」より)
御殿場馬車鉄道(御殿場市教育委員会発行の文化財のしおり「御殿場馬車鉄道」より)
御殿場馬車鉄道で使われていたレールを手に、車両の復元計画を語り合う研究会のメンバー=20日午前、御殿場市
御殿場馬車鉄道(御殿場市教育委員会発行の文化財のしおり「御殿場馬車鉄道」より)

 2018年に「研究部」として発足した同会は鉄道の調査研究や伝承に取り組んでいる。メンバーの間ではたびたび車両復元の話が持ち上がったが、資料が乏しく夢物語とみられていた。
 事務局長の勝又祐介さんが、長年ものづくりに携わってきた富士宮市の佐野直文さんに鉄道模型の修理を依頼したことで展望が開けた。図面がなくても復元できるという佐野さんに協力を依頼し、快諾を得た。
 写真など数少ない当時の資料を参考に、車両の研究員や鉄道博物館の学芸員だったメンバーの知識を生かし、可能な限り忠実に再現する。勝又事務局長は「作って完成ではない」と語る。復元が話題になり新たな資料が集まれば、さらに本物に近づけるつもりだ。
 廃止から100年近く経過し、鉄道があったと知る住民は減っている。菅沼会長は「子どもたちが乗って地域の歴史を学んでほしい」。馬車鉄道は全国にあったことから「話題になれば、関心を持つ多くの人を呼び込める」と期待している。
 資金提供は今月26日まで、クラウドファンディングサイトの「レディーフォー」で。問い合わせは同研究会<電070(8543)5858>へ。

 <メモ>御殿場馬車鉄道 研究会の保有資料によると、1898(明治31)年から順次開通した。御殿場駅近くの新橋駅と小山町の籠坂駅間の約18キロを結び、富士登山者や旧東海道線で御殿場に運ばれた物資などを運んだ。運転士が警笛の代わりに鳴らすラッパの音が「テトウテトウ」と鳴り響いたことから「テト馬車」と呼び親しまれた。1928年までに廃止になった。現在も「馬車道」と名の付く公園などがあり、名残をとどめる。

SNSでシェアするSHARE

いい茶0