苦境深刻化「自衛隊の街」 隊員外出自粛「店なくなる」悲鳴 小山・須走地区【新型コロナ】

 新型コロナウイルス感染拡大で小山町須走地区の飲食店や旅館の経営環境悪化が深刻さを増している。地区の経済を支えていた自衛隊員の外出自粛によって客足が激減。取引業者にも影響が及ぶ。「昨年の緊急事態宣言時よりもひどい」「このままだと店がなくなる」と悲鳴が上がる。

経営するバーで開店準備をする小野文孝さん。「金曜日、土曜日に客がこないのはつらい」と話す=小山町須走
経営するバーで開店準備をする小野文孝さん。「金曜日、土曜日に客がこないのはつらい」と話す=小山町須走

 「今月の売り上げは例年の2割に満たない」。バーを営む小野文孝さん(67)は窮状を訴える。普段、客の8割超を占める自衛隊員はゼロに。「1月後半から11日連続で客が来ないことも。身内や同業者が助け合うために来るだけ」と漏らす。
 地区の人口約4160人のうち、少なくとも半数以上が自衛隊員とその家族。立地する陸上自衛隊富士駐屯地には各地から多数の隊員が訪れ、地区の店を利用する。ところが、同駐屯地は県のコロナ対応を踏まえて1月下旬、駐屯地内外で生活する隊員と家族に外出自粛を要請した。近隣の駐屯地でクラスターが発生し、ある男性隊員は「絶対に感染できない」と強い危機意識を口にする。
 旅館を経営する米山恒久さん(60)は、売り上げの柱の一つである宴会が「年末から全く入らない」と嘆く。自衛隊員同士の宴会だけでなく、各地区にいる自衛隊員への配慮もあって、地区単位の会合もゼロになった。
 他の地区と距離があり「普段から他地区の方の来店はほとんどない」(飲食店経営者)ことも苦境に拍車を掛ける。飲食店や旅館でつくる3団体はこのほど、財政支援を求める請願書を池谷晴一町長に提出した。提出者の一人は、コロナ拡大後に借り入れをした事業者も多く「返せる見通しが立たないのに追加で借りられない。立ち直れなくなる」と早急な対応を求める。

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