歯科受診控え続く 自己判断で中止禁物 静岡県内【新型コロナ】

 新型コロナウイルスの感染を避けようと、歯科の受診を控える動きが続いている。口を開ける治療への不安が背景にあるとみられるが、日本歯科医師会によると、現在、国内で歯科診療を通じた患者への感染は報告されていないという。静岡県歯科医師会は、患者が自己判断で治療を中断し、虫歯や口内環境の悪化が進行してしまうことを懸念している。

感染対策を施して治療にあたる歯科医師ら=1月下旬、島田市の原田歯科医院
感染対策を施して治療にあたる歯科医師ら=1月下旬、島田市の原田歯科医院

 県歯科医師会によると、県内の診療数は昨年3月以降、例年よりも2~3割少ない状態が続いている。10月ごろに回復の兆しが見えたものの、年始に11都府県への緊急事態宣言が再発令されたあたりから再び、患者が遠のいた。「基礎疾患があるので感染が怖い」と、患者から診療所に相談が寄せられた例があるという。
 歯科医院では新型コロナ流行以前から、体液が付いた器具をその都度滅菌したり、飛沫(ひまつ)防止のため吸引装置を使ったりするといった「標準予防策」を徹底している。県歯科医師会の柳川忠広会長は「新型コロナ感染拡大防止にも一定の効果があると考えている」との認識を示す。
 県内の各歯科医院は標準予防策に加え、患者ごとに座席を消毒する▽フェースガードを着用して治療にあたる▽予約が同じ時間に複数入らないよう制限して接触機会を減らす―などの感染対策を講じている。
 島田市旭にある原田歯科医院も感染対策を徹底する歯科医院の一つ。原田泰院長は「3密回避を重視する上で急患の対応に各医院が頭を抱えている。来院前に必ず電話で相談してほしい」と訴える。
 また、口内環境が悪化すると粘膜を通じてウイルスが感染しやすくなるとして、日頃の口腔(こうくう)清掃の重要性を指摘する。「歯を磨くだけでなく口内を清潔に保つ意識が大切」と話す。
 治療中断の影響には、虫歯の悪化による歯の喪失や、飲み込むなどの機能低下「オーラルフレイル」の進行が挙げられる。柳川会長は「口内に不安を感じたら、まずかかりつけ歯科医に相談して適切な指示を受けてほしい」と呼び掛けている。

いい茶0
メールマガジンを受信する >