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急患の全検査「非現実的」 医療機関、水際対策難しさ浮かぶ 浜松・遠州病院クラスター【新型コロナ】

(2020/11/16 06:57)
クラスター発生で、救急外来の受け入れなどに影響が出ている遠州病院=15日午後、浜松市中区
クラスター発生で、救急外来の受け入れなどに影響が出ている遠州病院=15日午後、浜松市中区
遠州病院で発生したクラスター
遠州病院で発生したクラスター

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した浜松市中区のJA静岡厚生連遠州病院では15日、新たに3人の感染が公表された。一方、最初に感染が判明した患者は心不全での救急搬送時にコロナを疑わせる症状はなく、搬送から4日後の抗原検査で感染が確認された。専門家からは「症状がない患者を水際で防ぐのは至難の業。検査の感度や費用を考えても無症状患者全てを検査するのは現実的ではない」との声が聞かれ、救急患者を受け入れる水際での感染対策の難しさが浮かび上がった。
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 「救急患者全員にコロナの検査をするのはマンパワー的に不可能。ほかの病院でもそうだと思う」。大石強病院長は14日夜の記者会見で苦しい現状を訴えた。
 発熱や呼吸器の症状などがある場合は急患の受け入れ時に検査を行っているが、検査で陽性や陰性を100%正しく判定できるわけではない。発症前は、本当は陽性なのに陰性の結果となる「偽陰性」もみられる。
 浜松医科大付属病院感染対策室の前川真人室長は「一度陰性でも油断はできず、濃厚接触者に当たるかどうかや症状など総合的に判断して再検査も考える必要がある」とした上で、「現実的に、常にそのような対応ができるのか、意義があるのか、一律に正答は得られない」との見解を示す。
 コロナを疑わせる症状のない手術前の患者や入院患者に検査を実施している医療機関もあるが、費用は病院負担だ。浜松医療センター感染症内科部長の矢野邦夫院長補佐は「無症状の患者全ての検査を病院で負担するのは非常に厳しい。検体を採取する人手も有症者の対応で精いっぱい」と打ち明ける。
 浜医大付属病院の前川室長は「緊急入院時でも、できるだけ検査の結果が出るまでは別室で待機させるなどの感染対策を継続していくことに尽きる」と話す。

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