自分らしい最期のため「望むケアは…」 ACP普及へ動画制作

 患者の意思決定能力が低下した時に備え、人生の最終段階の治療・ケアを患者が家族や医療、介護従事者らと話し合う「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」の周知に向け、浜松市北区の聖隷三方原病院や地域包括支援センター細江などが動画制作に取り組んでいる。救急外来で起こり得る治療選択の場面を再現し、ACPの必要性を考えてもらうきっかけにする。11月にはDVDを作製して高齢者サロンや自治会などに配布する。

ACPの必要性を伝える動画を制作するメンバー。患者本人の意思を記した「なおとらシート」を森雅紀医師(右)に示す=10月上旬、浜松市北区の聖隷三方原病院
ACPの必要性を伝える動画を制作するメンバー。患者本人の意思を記した「なおとらシート」を森雅紀医師(右)に示す=10月上旬、浜松市北区の聖隷三方原病院
患者本人の治療の意思や死生観などについて記す「なおとらシート」
患者本人の治療の意思や死生観などについて記す「なおとらシート」
ACPの必要性を伝える動画を制作するメンバー。患者本人の意思を記した「なおとらシート」を森雅紀医師(右)に示す=10月上旬、浜松市北区の聖隷三方原病院
患者本人の治療の意思や死生観などについて記す「なおとらシート」

 聖隷三方原病院などは訪問看護ステーション細江や居宅介護支援事業所ろくじゅなどとプロジェクトチームを組み、2018年5月にACPの啓発事業をスタート。共通理解を図る研修会の開催や、治療の意向や生き方などを書き込む意思決定支援シート「なおとらシート」の作成などを進めてきた。
 動画は約10分。シナリオは同病院高度救命救急センターの村松武明看護師(45)が考えた。肺炎で入院した70代の男性が重症化し、人工呼吸器を装着せざるを得ない状況になった場面を描いた。
 チームのメンバーが患者の長男、長女役となり、治療の選択を突然迫られ、困惑する様子を演じた。患者が「なおとらシート」に死生観や治療の希望などを記入していたことで、家族がその意思を尊重した選択ができた-という流れが続く。
 同病院緩和支持治療科の森雅紀医長(44)は「事前になおとらシートを記入してもらえれば、本人の意思を尊重した治療を選択でき、医療側としても参考になる」と強調する。村松看護師は「どんな医療も中心にいるのは患者や家族。自分がどう生きたいか、日頃から話し合える文化を根付かせたい」と願う。

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