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臨床実習、コロナ禍でも 浜松医大「感染症対応、貴重な学びに」

(2020/5/26 17:00)
臨床実習で結膜の縫合練習に取り組む学生たち。感染症対策なども学ぶ貴重な経験となっている=15日、浜松市東区の浜松医科大付属病院
臨床実習で結膜の縫合練習に取り組む学生たち。感染症対策なども学ぶ貴重な経験となっている=15日、浜松市東区の浜松医科大付属病院

 新型コロナウイルス感染症の流行を受けて全国の医学生の臨床実習が中止となる中、浜松医科大(浜松市東区)は例年通り実施することを決め、同大付属病院などで学生たちが実践的な学習に励んでいる。同大は「患者と接する現場での学びは非常に重要。感染症対策についても学ぶ機会にしてほしい」と、未来の医師の教育に力を注ぐ。
 5月中旬、同大付属病院の眼科では、6年生4人が縫合手術の実習に取り組んでいた。立花信貴助教の指導を受けながら、手術用の顕微鏡下でピンセット用の医療器具「鑷子(せっし)」を使い、結膜に見立てた手袋を丁寧に縫合した。
 同病院では5、6年生計約200人が外科、内科、小児科などで実習に臨んでいる。5年生は全ての診療科も回る必要から他病院でも実習を行うが、コロナの影響で実習先が取りやめになったケースもあるという。
 浜医大付属病院でも、全ての実習内容が予定通りとはいかず、眼科ではコロナの感染対策として学生が患者と直接触れ合う診療実習を見送った。学生は患者と一定の距離を保ちながら、医師が患者を診療する様子を観察する。ガウンなど医療物資の不足から、手術や治療の立ち会い回数も減らすなど、限られた環境の中で対策を図りながら実習機会を確保する。
 6年の森万佑子さん(25)=名古屋市出身=は「患者がコロナに感染しているかどうか、細心の注意を払う病院の対応が間近で見て学べる」と充実感をにじませる。「将来、発生しうる未知の感染症に向けた経験にもなる」と意欲的だ。
 同大によると、実習を中止した大学は代替手段として、人形を使った実習やウェブ上での手術動画配信などを進めているという。
 同大眼科学講座教授を務める堀田喜裕同大付属病院副院長は「患者と学生の安全を確保し、将来の医者を教育する責任は重大。臨床実習だからこそ得られる知識、経験を」と願う。

 <メモ>医学生の臨床実習は、医学部在学中の4~6年時に、大学付属病院や協力病院で30以上の全ての診療科を回って行われる。浜松医科大は、全ての診療科を回った後、希望の診療科を選択する選択実習のカリキュラムを設けている。中には、全ての診療科を回らず、主要科を回った後に選択実習を行う大学もある。実習では患者と対面し、診察や治療、カルテの書き方、コミュニケーションの取り方などを身に付ける。

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