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「成人、未就学児も支援を」家族ら切実 医療ケア児に衛生用品

(2020/3/26 17:00)
息子の介護をする男性=静岡市清水区
息子の介護をする男性=静岡市清水区

 新型コロナウイルスの影響でマスクや消毒液が不足する中、国は18歳以下の医療的ケア児を対象に消毒液などの配布を決めた。一方、県内の医療的ケアを必要とする19歳以上の人たちや把握が難しい未就学児の家族からは、ケア用品の不足を嘆く声が上がる。社会福祉学が専門の佐々木隆志静岡県立大短期大学部教授(63)は「セーフティーネットにかからない人がいる。改善すべき問題だ」と指摘している。
 静岡市清水区の男性(57)は、筋ジストロフィーを患う息子(22)を在宅介護している。息子は呼吸を補助するため気管切開をしている。切開部分を保護する30センチ四方のガーゼは毎日3枚必要。500ミリリットルのアルコール消毒液は2週間ほどで使い切る。
 手元のケア用品は近々に底を突きそうで、ガーゼは洗って再利用している状況という。男性は「国からの支援が限られている中で、(18歳以下の)子どもたちが優先されるのは納得できる。ただ、何とか必要な人全てに行き渡るようにならないだろうか」と訴える。
 静岡県障害者福祉課によると、県内で医療的ケアが必要な人の正確な人数は把握できていないのが実情という。担当者は「今回のような非常事態に対応するためにも、実態把握を早急に進めたい」と話した。

 ■実態把握に制度の壁 静岡市は協議会設置し調査
 県障害者福祉課の担当者は「医療的ケアが必要な人の全員が障害者手帳を所持している訳ではないため、行政が全員を把握するのは難しい」と話す。
 就学年齢の医療的ケア児は学校を通して把握できるが、未就学児や成人の把握には病院や通所施設の協力が必要で時間がかかるという。
 静岡市は2019年度、市医療的ケア児等支援協議会を設置し、昨年末からは市内の総合病院を通じたアンケート調査に乗り出した。19歳未満の医療的ケア児と、0歳以上65歳未満の重症心身障害児者に日頃のケアや困り事を聞き取り、全年齢層の実態把握を急ぐ。

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