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心肺蘇生の普及、県内でも 静岡の看護師がセミナー

(2020/2/12 19:30)
簡易化した心肺蘇生の普及を図る「PUSHプロジェクト」のセミナー=1月中旬、静岡市葵区
簡易化した心肺蘇生の普及を図る「PUSHプロジェクト」のセミナー=1月中旬、静岡市葵区

 心臓の異常によって突然命を落とす心臓突然死を減らそうと、簡易化した心肺蘇生とAED(自動体外式除細動器)使用の普及を図る大阪発の市民活動「PUSH(プッシュ)プロジェクト」が静岡県内でも動き始めた。活動を進める静岡市葵区の看護師増田功雄さん(58)は「目の前で人が倒れた時、行動できる人を一人でも増やしたい」と話す。
 増田さんは病院勤務30年の看護師。退職後を見据え、経験を生かせる地域活動を探していたところ、3年ほど前にプロジェクトを知った。先駆的に活動する東京の団体で講習を受け、昨年3月にインストラクター資格を取得。任意団体「静岡救命サポート協会」を発足させ、地域の医療介護関係者や一般の人を対象にセミナーを開いている。
 プロジェクトは、心肺蘇生の中でも最も重要な胸骨圧迫と、AEDの使用を併せて普及を図る。1月中旬に静岡市葵区の介護老人保健施設「あみ」で開いたセミナーでは、地域の介護関係者が、人の上半身が描かれたシートと心臓に見立てたハート形のクッションを教材に、アニメーションを取り入れたビデオで実践的に学んだ。
 学校現場での活用も想定し、所要時間は45分と短時間。ボールが胸に当たって子どもが意識を失ったなど、実際の状況を想定して必要な行動を体験する内容で、増田さんは「救命処置の結果に責任は問われない」「救命できないことも多い」などと心構えも求めた。参加したケアマネジャー(65)は「以前に参加した講習に比べて分かりやすい。自分にもできるかも、と思えた」と話した。
 活動は今のところ、増田さんの住む地域や職場を通じた口コミによる依頼が主。増田さんは「その場に居合わせた人の行動が命を左右する。完璧でなくても、やれるかどうかが大事」と話し、賛同者を増やし、活動の場を広げたい考えだ。

 <メモ>消防庁の統計では、救急車が現場に到着するまでの所要時間は2018年の県内平均で8・7分。同年、県内で一般市民に目撃された心臓が原因で心肺機能が停止した人は784人で、うち一般市民が心肺蘇生を行ったのは422人(53・8%)だった。心肺停止後の救命率は1分ごとに10%程度下がるとされる。

 <メモ>PUSH(プッシュ=押す)プロジェクト 「胸を押す」「AEDのボタンを押す」「(心肺蘇生の実施へ)自分自身を押す」の三つを浸透させ、一般市民の力で救命率向上を目指すプロジェクト。2008年に大阪の医療医関係者などが協力して始まり、全国に活動団体がある。

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