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北遠、遠のく透析施設 愛知・東栄町の診療所、部門閉鎖へ

(2019/12/19 17:00)
東栄町に東栄医療センターでの人工透析継続を求める署名を提出する患者ら=3日、愛知県東栄町
東栄町に東栄医療センターでの人工透析継続を求める署名を提出する患者ら=3日、愛知県東栄町

 浜松市天竜区佐久間町や水窪町の住民が利用する愛知県東栄町の町立東栄医療センターが本年度末の人工透析部門の中止を決定し、佐久間、水窪町内でも不安の声が広がっている。転院先として距離の離れた医療施設を選ばざるを得ない高齢の透析患者らは東栄町に対して署名を提出し、継続を強く求めている。
 「転院すれば移動がつらい。体調に影響する」。腎不全を患い、人工透析のために車で約20分の同センターに通う佐久間町の柄沢申二さん(69)は肩を落とす。週3回、1回当たり4時間の治療や加齢などの負担を考え、身近な同センターへの通院を切望する。「糖尿病や高血圧が原因疾患とされ、高齢化が進む北遠でも患者は増えていくだろう」と危機感を募らせる。
 同町によると、11月末現在で透析患者は16人で、うち10人は佐久間、水窪地域の患者。転院候補は浜松市天竜区二俣町や同市浜北区、愛知県新城市などの医療施設だが、通院にこれまでの倍以上の時間がかかる高齢患者もいる。佐久間町のへき地医療拠点病院の佐久間病院も人材不足は深刻で、透析部門の新設は難しい。
 3日に提出した署名は計5047人分。東栄町では人口の3分の1以上の町民が署名し、佐久間、水窪両町でも400人分以上が集まったという。東栄町の村上孝治町長に手渡した患者らは「患者だけでなく地域全体の思い」と強調した。柄沢さんも「三遠南信道の整備など県をまたいだ利便性の向上に期待している。命綱の医療もなんとか守ってほしい」と訴える。

 ■「安心な業務継続困難」
 東栄医療センターは地域の過疎化に伴い、4月に東栄病院を有床診療所に改組して始まった。当初の基本計画には人工透析の継続が明記されていたが、医師や看護師、臨床工学技士の確保難を理由に9月、本年度末での透析部門閉鎖を急きょ決定した。東栄町は「署名は真摯(しんし)に受け止めるが、将来的に安心な透析業務の継続が困難」と中止に理解を求めている。同センターは老朽化に伴い2022年度に新築移転し、無床診療所に転換する見通し。

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