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てんかん学んで自信 静岡市で患者向けプログラムが成果

(2019/11/8 17:01)
ゲームやクイズをしながら、てんかんについて学ぶ子ども(手前)=10月上旬、静岡市葵区の静岡てんかん・神経医療センター
ゲームやクイズをしながら、てんかんについて学ぶ子ども(手前)=10月上旬、静岡市葵区の静岡てんかん・神経医療センター

 静岡てんかん・神経医療センター(静岡市葵区)が展開する、てんかん患者を対象とした学習プログラムが成果を挙げている。2012年から行う成人患者向けプログラム「モーゼス」により前向きに治療に取り組む受講者が増え、18年には小児患者とその家族を対象にした「ファモーゼス」も開始。当事者が病気の知識を身に付けることで、治療の前進だけでなく、周囲に理解を求めやすくなるなどの効果も現れている。
 患者らは、誤解や偏見から他者に適切に症状を伝えられず、日常生活で必要以上に制限をかけてしまうことがある。特に小児患者は、ぜんそくや糖尿病の子どもと比べて、自身の病態や薬について説明できず、他人に病気を隠そうとする傾向が強いとのデータがある。また、看病を抱え込んでしまう家族も多いという。こうしたことから、同センターで学習プログラムを推進する大谷英之医師(46)は「教育によって自信をつけることが必要」と強調する。
 学習プログラムはヨーロッパ発祥。成人患者のプログラムにはこれまでに約160人が参加した。基礎知識や発作への対処、治療や予後を学んだことで、主体的に治療に取り組むようになり、発作の軽減につながった受講者もいるという。
 小児患者と家族のプログラムを行うのは、現在、全国の医療機関で同センターのみ。入院患者とその家族が対象だが、20年度以降、外来患者らも参加できる短期コースを設ける予定。大谷医師は「患者や家族の気持ちを楽にできるような取り組みを広げていきたい」と話した。

 ■ゲーム交え、子どもも
 「さあ、船に乗ろう」。船旅をイメージした小児患者向けの学習プログラムは、「コーチ」を務める医師のこんな一声で始まる。
 クイズやゲームをしながら、てんかんは一般的な病気であることや、発作のタイプによって日常生活で注意すべきことが異なること、他人への伝え方などを学ぶ。てんかんと分かった時の自身の感情にも向き合う。期間は約3週間。
 専門的なトレーニングを受けた看護師や保育士も参加する。保育士の高橋輝さん(32)は「内面の変化は評価が難しいが、少しずつ意見が言えるようになる子どもたちを見るとうれしい」と語った。

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