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浜松発リンパ浮腫検査 浜医大病院×浜ホト、医師主導の治験開始

(2019/10/8 07:23)
赤外観察カメラを足に当て、リンパ液の流れを観察する海野直樹特任教授=9月下旬、浜松市東区の浜松医科大付属病院
赤外観察カメラを足に当て、リンパ液の流れを観察する海野直樹特任教授=9月下旬、浜松市東区の浜松医科大付属病院

 浜松医科大付属病院(浜松市東区)などが、リンパ浮腫の診断や手術で活用されている「ICG(インドシアニングリーン)蛍光リンパ管撮影法」の保険適用を目指して医師主導の治験に乗り出した。浜松ホトニクスの赤外観察カメラを用いる浜松で生み出された撮影法で、肝機能検査などで使われる検査試薬のICGがリンパ管内で蛍光を発する性質を利用する。他の3大学の付属病院と連携して有用性を検証する。
 リンパ浮腫はリンパ液の流れが悪く手足がむくむ病気で、多くが乳がんや子宮がんなどの手術から数年後に発症する。同病院によると、患者は世界で4千万人以上いるとされ、コンピューター断層撮影(CT)やエコーなど一般的な検査では診断が難しいという。
 同撮影法はICGを注射した手足を赤外観察カメラで観察し、リンパ管内を流れるリンパ液の様子をICGの蛍光画像としてリアルタイムで捉える。リンパ浮腫診療専門の大学病院などでは日常診療で取り入れ、停滞したリンパ液を静脈へと流す手術の際も利用している。しかし、ICGの保険適用は肝機能や循環機能の検査に限られている。リンパ浮腫検査は既に5千件以上の実施報告があるものの保険が適用されていないのが課題だった。
 治験は「HAMAMATSU-ICGスタディ」と銘打ち、千葉、横浜市立、岡山の各大学医学部付属病院と共同で取り組む。4大学病院で計約100人の患者を対象に同撮影法で診断、手術を実施し、蛍光画像でリンパ管を特定できたかどうかをメインに検討する。1年後の成果報告を目指す。
 治験主担当の海野直樹浜松医大特任教授(浜松医療センター院長)は「浜松で生まれ培われた技術を国内外に発信し、リンパ浮腫の早期発見、治療につなげたい」と話す。

 <メモ>医師主導治験 薬事法改正により、医薬品は2003年から、医療機器は05年から、製薬企業などと同様に医師自ら治験を企画・実施できるようになった。外国で承認されながら国内で未承認だったり、未承認で適応外使用が広く行われているものの、企業が採算性などを理由に積極的に治験に取り組まなかったりする医薬品や医療機器について薬事承認を取得し、臨床現場で広く使用されることを目指して行われる。

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