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床ずれしない氷枕開発 全国のこども病院提供へ、資金募る

(2019/5/16 07:39)
共同開発した氷枕。九つの仕切りがある保冷具(手前右)と、もう一つの保冷具を組み合わせて使う=4月下旬、沼津市のトライ・カンパニー
共同開発した氷枕。九つの仕切りがある保冷具(手前右)と、もう一つの保冷具を組み合わせて使う=4月下旬、沼津市のトライ・カンパニー
仕切りのある保冷具。圧迫されやすい部分の保冷材は抜いて使用する
仕切りのある保冷具。圧迫されやすい部分の保冷材は抜いて使用する

 沼津市双葉町の保冷材メーカー「トライ・カンパニー」と清水町卸団地のユニホーム製造販売「山本被服」はこのほど、自力で体位を変えられない障害者のために、寝たきりの状態でも頭部に体圧がかかりにくい氷枕「耳が痛くならないクールまくら」を共同開発した。両社は同じ悩みを抱える子どもたちに快適な眠りを届けようと、全国のこども病院へのまくらの無償提供を目指してクラウドファンディングによる資金募集を始めた。
 2年前、静岡市内に住む男子小学生の両親が、トライ・カンパニーに相談したことが開発につながった。交通事故による低酸素脳症で寝たきりになった男児は体温調節が難しく、氷枕が手放せない。体を動かせないため、耳に床ずれができて出血し続けていた。両親が症状を緩和できる氷枕を作れないかと提案。同社が保冷材部分を担当し、カバーの製作協力を医療用ミトンの開発などで実績がある山本被服に求めた。
 クールまくらの特徴は保冷材を入れる保冷具。九つの区画に仕切ってソフトタイプの小さな保冷材を入れ、耳やあごなど、圧迫されやすい部位の保冷材を抜けば、体圧が分散されるという。生地にも気を配り、保冷具は通気性が良く結露を防ぐメッシュ構造、枕カバーはベビー服に使うスムース素材を採用した。
 体圧測定や試作品使用で県立こども病院の看護師や患者の協力を仰いだ。両社の開発担当者はクールまくらを必要とする障害者が想像以上に多いことが分かったという。
 トライ・カンパニーの担当者市川智博さんは「クールまくらを使った子どもの笑顔を見たとき、幸せを感じた。全国の子どもたちにも届けたい」と話した。山本被服取締役の山本陵さんは「中小企業だからこそ、小さな声にも応えることができた」と胸を張った。
 無償提供したいのは国内のこども病院34カ所。クラウドファンディングは100万円を目標にしている。専用サイト「エーポート」で7月19日まで実施している。

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