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<竹かばん職人>竹の鞄GEN(浜松市天竜区)

(2019/7/1 11:00)
竹ひごにする竹を山から切り出し、かごに編むまでの全工程を1人で行う鈴木げんさん
竹ひごにする竹を山から切り出し、かごに編むまでの全工程を1人で行う鈴木げんさん
なたや小刀など
なたや小刀など

 涼しげで凜[りん]とした風情が漂う竹のかばん。職人の鈴木げんさん(44)が竹ひごを器用に指でさばき、テンポよく編む。時々爪で編み目をぎゅっと押し、目の詰まり具合を確かめる。しばらくすると味わいのある網代[あじろ]編みの模様が現れた。「美しさに加え傷が付きにくい。竹が持つ魅力を一番感じられる編み方だと思う」。表面を手で触るとつるんとした質感が肌にひんやりと心地よい。
 浜松市北区の出身。高校卒業後、グラフィックデザイナーの職に就いたがある時、愛知県の竹職人菅沼伸之さん(故人)がなた1本でざるなどを器用に作る様子を見て、伝統の技に魅了された。デザインの仕事と並行し、5年間弟子入りした後、竹細工産業が盛んな大分県別府市に移住を決意。技に磨きをかけた。
 春野町に工房を構えたのは2016年。専門の職人が使いやすく加工する竹ひごを仕入れることもできたが、プラスチックの日用品が登場する以前、昔の人は身近に採れる竹で、生活道具を作るのが当たり前だった。「竹で食べていくと決めた以上、目と手が行き届く里山の恵みを活用する」と決めた。
 かばん作りは11~12月の新月の頃、真竹を山から切り出すことから始まる。「満月にたっぷりと蓄えた水や養分を、竹は新月で吐き出す。水や養分が少ない竹は害虫やカビが生えるリスクが低い」。最適なのは水脈に近い場所にある3~4年生の竹。水が豊富な地に育った竹は節間が長く、大きなかばん作りに使いやすいからだ。

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