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バイオリン授業 聞いて奏でて育む感性 掛川西高、導入8年目

(2020/11/10 20:30)
生徒にバイオリンの弾き方を指導する岡田恵里さん(右)=10月下旬、掛川市の掛川西高
生徒にバイオリンの弾き方を指導する岡田恵里さん(右)=10月下旬、掛川市の掛川西高

 掛川市の掛川西高が音楽の授業にバイオリンを取り入れ、8年目に入った。経験者が少なく、演奏が難しいとされるバイオリンを授業で扱う公立高校は県内では珍しい。支えているのは、「若い世代に音楽文化を感じてほしい」という教師の熱意だ。
 10月下旬、浜松市在住のバイオリニスト岡田恵里さんの出前授業が同校で行われた。プロの演奏を生で聞いてもらい、感性を伸ばすことが狙い。岡田さんは生徒の近くに寄ってモンティの「チャールダーシュ」などを披露するとともに、一人一人の弾き方を見て回り、指の使い方や力の抜き方を指導した。
 吹奏楽部の石間妃菜さん(16)は「岡田さんの演奏は音の響きがすごく滑らかだった」と圧倒された様子。生徒は「きらきら星」やベートーベンの「喜びの歌」を練習し、音を揺らす「ビブラート」にも挑戦した。
 バイオリンの授業は音楽科の佐藤真澄教諭(63)が2013年春に着任したのを機に始まった。若い層に文化活動を広めたいという思いに加え、芸術科目の授業数や部活動時間の減少への危機感が背景にあった。「便利さや要領の良さばかりが求められる社会では芸術文化は育たない」と佐藤教諭は考える。
 バイオリンは同じく音楽の教師だった佐藤教諭の父が演奏していたため、幼いころから親しみがあった。前任校や周辺校から楽器を集め、楽器を手に取って練習できる環境を整えた。
 音楽の授業は1年生が選択科目として受ける。本年度は2学期に約15時間ある授業の全てをバイオリンにあてる。ことし音楽を選択した1年生160人のうち、バイオリンの経験者はわずか1人で、大半は触れたことすらない。このため、演奏映像を鑑賞し、興味を持ってもらうことから始めている。
 鍵盤楽器や管楽器などとの違いについて、県総合教育センター(掛川市)高校芸術担当の水田忍美教育主幹(49)は「弦楽器のバイオリンは自分の耳で音を作る楽器。音の基本を学ぶことができる」と教育効果を指摘する。佐藤教諭は「音を想像しながら演奏するため、自分を表現する力を養える」と強調し、バイオリンの授業を一段と深化させようと意気込む。

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