静岡新聞NEWS

「eスポーツ部」続々発足 静岡県内高校、教育と両立へ試行錯誤

(2020/11/1 09:24)
11月の大会に向けゲームの練習に励む生徒。静岡県内の高校でeスポーツ部発足の動きが出始めている=10月下旬、沼津市の飛龍高
11月の大会に向けゲームの練習に励む生徒。静岡県内の高校でeスポーツ部発足の動きが出始めている=10月下旬、沼津市の飛龍高

 コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」に、部活動で取り組む静岡県内の高校が出始めている。競技人口が増えて関心が高まり、将来的な五輪競技採用も期待される。一方、ゲームのやり過ぎによる学校生活への支障を懸念する声も強い。各校は部活を通じた技術、精神の成長と健全育成の両立を図るため、試行錯誤しながら活動を始めている。
 「あと30秒。攻めるから守りは頼む」。10月下旬、沼津市の飛龍高。放課後の教室ではオンラインゲームに取り組む生徒の声が響いた。同校は来年度からeスポーツ部を新たに発足する。必要な機材や回線環境の整備を学校が全面的に支援。現在は0年目として生徒4人が11月14日に開幕する「全国高校eスポーツ選手権」に向けた練習に励んでいる。
 「あいさつや礼儀など、部活で身に付ける力は運動もゲームも同じ」と顧問の池田基樹教諭(35)。生徒は動画を分析して意見交換したり技術を教え合ったり、コミュニケーションを図る機会につながっているという。2年の桜井敦さん(16)は「遊びのゲームとeスポーツは雰囲気がまったく違う。他の部活と同じくチームで取り組んでいる実感がある」と充実した表情を見せる。
 県内の全日制高校では2校で本年度から部活動としてのeスポーツが始まり、各校は学校教育とeスポーツを両立させる活動を模索する。県立伊豆総合高土肥分校(伊豆市)は、部活動の時間に校内清掃などのボランティア活動にも取り組む。琴岡隼志教諭(25)は「自らを律してゲームを有益に活用し、自立した大人への成長を図ってほしい」と期待する。浜松学芸高(浜松市中区)では、部員が校内でのeスポーツ大会の企画運営や活動の啓発にも取り組む。
 世界保健機関(WHO)は昨年「ゲーム障害」を依存症の一つに認定。eスポーツが普及して学校でゲームをすることに否定的な意見もある。池田教諭は「教育としてメリハリを持ち、真剣に取り組める環境をつくりたい」と話す。

 ■「意識的に時間管理を」 静岡大・塩田准教授
 情報教育に詳しい静岡大教育学部の塩田真吾准教授は「eスポーツは長時間でも疲れを感じにくく、夢中になりやすい」と注意点を挙げる。娯楽のゲームが部活動になると、強くならなければいけないという義務感から歯止めがきかなくなる恐れもあると懸念する。健全な活動のためには「適度な休憩など、意識的な時間管理がより重要になる」と指摘する。
 一方、eスポーツを特別視する必要はなく、部活動としての取り組みによる好影響にも期待する。「他の部活では学校になじめなかった生徒が、高校生活を楽しめるきっかけになる」と強調する。

教育・子育ての記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿