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コロナで入国制限長期化 ALT着任、見通し立たず

(2020/9/1 11:30)
高校生と共に短編映画を製作するカミロ・ザパタさん(右)。1年間の任期延長を決めた=静岡市葵区の県立静岡城北高
高校生と共に短編映画を製作するカミロ・ザパタさん(右)。1年間の任期延長を決めた=静岡市葵区の県立静岡城北高

 新型コロナウイルス感染症の世界的流行で外国人の入国制限が長期化し、静岡県内の外国語指導助手(ALT)の着任が遅れる可能性が高まっている。ALTや国際交流員を派遣する国の外国青年招致事業(JETプログラム)で、新たに着任予定だった外国人の来日の見通しが立たないためだ。県全体で少なくとも50人の着任を待っている状態。ALTを計画通りに確保できなくなる事態を見越し、県市町教委が対応を検討している。
 県教委によると、県立高のALTは全員がJET参加者で、分校以外の85校に各1人、事務局に2人を配置している。高校教育課によると、本年度の新任者15人の着任めどが立っていない。本来は例年よりも1カ月ほど遅い9月中旬に来日予定だったが、手続きが進まないためさらに数カ月は遅れる見込み。9月末までに手続きが再開できないと、本年度の派遣が中止される可能性もあるという。
 同課の担当者は「ALTには授業に加え、教材づくりに助言をもらうことも多い。文化的背景やニュアンスの理解にはALTの存在が大きい」と指摘する。欠員が出た場合、他校担当のALTが巡回するなどの対応を考えるという。
 浜松市教委もJET参加者8人の着任を待っている。同市の場合、市立小中高に配置するALT60人の確保には、JETだけでなく、国内採用も行う民間派遣会社も利用している。指導課の担当者は「9月末の状況次第では、派遣会社から追加採用する補正予算を組んだり、配置計画を見直したりする可能性がある」と話す。
 JETと市独自採用を合わせて8人分の枠が空いている静岡市は「英語の専科教員もいるため授業自体は実施可能。英語能力の高い有償ボランティアの地域人材などを活用してサポートする」(市教委学校教育課)。このほかにも藤枝市や南伊豆町など7市町もJETの新規派遣を希望している。

 ■任期1年延長し勤務 帰国、離任予定者20人
 コロナ禍で新任者が来日できない中、県内の学校などに配属されているJETプログラム参加者のうち、本年度中の帰国や離任を予定していたALTや国際交流員約20人は、任期を1年間延長して勤務を続けている。
 静岡市葵区の静岡城北高で8月下旬に行われた国際科のサマーセミナーには、同校や他の県立高などからALT7人が集まった。ALTは生徒のグループに加わり、英語を使ったゲームや映画づくりなどを通じて“英語漬け”のプログラムを実施した。米国出身のカミロ・ザパタさん(23)=川根高所属=は離任予定を延長した1人。「学校側が新しいALTを探すのも、自分が新しい仕事を探すのも難しい状況。自分の延長が皆にとって良い選択と考えた」と理由を説明した。
 ALTは県や市町ごとの任用で、県内の公立小中高校には未着任者を含め約430人が配置されている。県内市町にはJETだけでなく、浜松市や静岡市のように民間の派遣会社の利用や独自採用で人材を確保している自治体もある。JETプログラムは通常1年ごとの契約更新で、最大5年間勤務できるが、本年度はコロナ対応の特例措置で最大6年間に延長された。

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