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支援員確保に苦慮、民間学童保育閉鎖 19年末、浜松

(2020/2/4 07:39)
昨年末で閉鎖したオイスカキッズクラブ。市立萩丘小(左奥)などの児童が利用していた=1月上旬、浜松市中区
昨年末で閉鎖したオイスカキッズクラブ。市立萩丘小(左奥)などの児童が利用していた=1月上旬、浜松市中区
浜松市内で運営されている学童保育の主な種類
浜松市内で運営されている学童保育の主な種類

 放課後児童会(学童保育)の待機児童数が県内最多の471人に上る浜松市で昨年末、待機児童削減に貢献しようと参入していた公益財団法人が運営する民間放課後児童クラブが閉鎖し、年度途中で28人いた児童の居場所がなくなる状況に追い込まれた。背景にあるのは、公設施設でも困難となっている支援員の確保。保護者からは戸惑いとともに、質の高い教育内容に閉鎖を惜しむ声も上がる。
 閉鎖したのは大和教育財団(浜松市西区)が2015年10月、中区の市立萩丘小の隣に開設したオイスカキッズクラブ。公設の放課後児童会と同じ年250日以上運営することを条件に市が年間106万円を補助する、市内唯一の「民間放課後児童クラブ」だった。
 財団は昨年8月に保護者に通知し、12月末に同クラブを閉鎖。保護者によると、同校近くの他の学童保育に移れた児童もいたが、少なくとも10人は約2キロ離れた学童保育に送迎車で通うことになった。預け先が決まらず、「子どもに家で留守番させ、勤務時間の変更で対応している」という母親もいる。
 財団関係者は取材に対し、定員40人に児童が28人しか集まらず、支援員も3人程度と少なかったため「経営が厳しかった」と語る。農業やサッカーなどの体験教育を行い、公設学童保育より1時間遅い午後7時まで運営して需要獲得に努めた。
 「子どもを預かるだけでなく質の高い教育をしたかった」と財団関係者。月額利用料は公設学童保育の2千~5千円より割高な1万6千~1万8千円だった。ある保護者は「教育内容を見れば安すぎた」と閉鎖を悔やむ。
 支援員と児童を増やして経営を改善したかったが、支援員は教員や保育士などの有資格者が条件。市内141の公設学童保育も支援員確保に苦労する中、「後から参入した民間施設には厳しかった」と財団関係者は話す。

 ■市、公設の運営見直し
 浜松市教委は、放課後児童会の待機児童削減に向けて期待していた市内初の民間放課後児童クラブの撤退に、「非常に残念」とショックを受けている。児童を指導する支援員の確保は公設学童保育にとっても最大の課題で、市教委は公設施設の運営方式の抜本的改革を進めている。
 同市の公設施設は学区の自治会や保護者会などでつくる健全育成会による運営が主体だった。だが健全育成会は任意団体のため支援員と雇用契約が結べず、待遇に恵まれない有償ボランティア扱いであることも確保を難しくしている。
 このため市教委は、支援員と雇用契約できる法人などに運営を委ねる「委託方式」に移行を進めている。2020年度は25カ所の運営を1団体に一括委託する予定だ。

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