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静岡市給食、宗教対応へ 小中校、禁止食材除去食 20年度試行

(2019/12/27 17:01)
豚肉やアルコールなどを使用していない「ハラール弁当」。給食の代わりに学校へ持参させる保護者は多いという=静岡市内
豚肉やアルコールなどを使用していない「ハラール弁当」。給食の代わりに学校へ持参させる保護者は多いという=静岡市内

 静岡市は2020年度、イスラム教徒(ムスリム)ら宗教上の理由で特定の食材を食べられない児童・生徒に配慮した学校給食の提供を試行する。県教委によると、現時点で宗教対応の給食を出している県内市町はない。外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法が4月に施行され、地域に住む外国人の家族が増えると見込まれる中、ムスリム関係者は「他市町の教育現場でも食の多様性が認められるようになれば」と波及を期待している。
 静岡市は19年度、市立小中学校で初の実態調査を実施。宗教上の対応が必要な児童・生徒が33人いることが判明した。これらの子どもたちは給食の献立から飲食可能な料理だけを食べたり、家庭から「ハラール弁当」を持参したりしているという。市は、宗教的な禁止食材をあらかじめ取り除いた除去食の提供を検討する。
 田辺信宏市長は12日の定例記者会見で、多文化共生社会を目指しているとして「学校給食の現場でもそのように対応していくのは、自治体として“標準装備”にしないといけない」などと説明した。
 市学校給食課によると、20年度は毎食の提供とはならず、数回程度にとどまる見通し。市内10の学校給食センターのうち4施設は、食物アレルギーへの対応もできていないのが現状という。宗教的に配慮した給食を提供する上では、関係者と課題を協議し、具体的な方策を模索していく。
 静岡ムスリム協会によると、ムスリムの保護者たちは長年、食事の違いによるいじめへの不安や、弁当を毎日手作りする負担、給食費と弁当食材費との二重の経済的な負担などを感じてきたという。
 9年前から市に要望を重ね、4人の小中学生の母親でもある同協会のアサディみわ事務局長は市の対応方針を「第一歩だが、全国的にも先駆けと思う。実効性のある取り組みを期待したい」と評価した。その上で「食の違いは食育に直結し、異なる文化を学び合うきっかけになる」と指摘し、食物アレルギーのように文部科学省が対応指針をまとめるべきとの考えを示した。

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