農業技術を東南アジアに 静岡県内ベンチャー相次ぎ進出

 静岡県内の農業ベンチャーが、東南アジアの中心的な都市国家シンガポールに相次いで事業進出している。植物工場の設備や、安定して収穫できる栽培システム、種の輸出など農業関連の新しい技術を持ち込み、同国企業との連携を進めている。成長市場の東南アジアを意識した事業拡大を目指す。

ファームシップの植物工場内で育てられるベビーリーフ。温度や湿度を管理して栽培した=2019年、シンガポール(同社提供)
ファームシップの植物工場内で育てられるベビーリーフ。温度や湿度を管理して栽培した=2019年、シンガポール(同社提供)
市街地に設置されたファームシップのコンテナ型植物工場=2019年、シンガポール(同社提供)
市街地に設置されたファームシップのコンテナ型植物工場=2019年、シンガポール(同社提供)
ファームシップの植物工場内で育てられるベビーリーフ。温度や湿度を管理して栽培した=2019年、シンガポール(同社提供)
市街地に設置されたファームシップのコンテナ型植物工場=2019年、シンガポール(同社提供)

 富士市を拠点にコンテナ型植物工場の研究開発に取り組むファームシップ(東京都、北島正裕代表)は、石井育種場(静岡市駿河区)などと連携して昨年まで現地で、わさび菜のベビーリーフなどの栽培実験を行った。
 20フィート型のコンテナ内に水耕栽培用のトレーを並べ、独自開発のLED照明に、温度や湿度、養液の濃度といった栽培環境を管理できるシステムを使って栽培する。
 北島代表は「1日約5キロの収量。スパイシーなわさび菜は現地でも好評だった」と手応えを感じた様子。シンガポールを拠点に成長市場である東南アジア域内で事業を広げていく方針だ。
 シンガポールは国を挙げて食料自給率の向上に取り組んでいる最中で、国民の健康に対する意識も高まっているという。
 種苗開発の増田採種場(磐田市)は、植物工場を計画する現地企業からの「狭い土地でも安定して育ち、良質な種がほしい」との要望に応え、昨年11月、栄養価が高く病害に強いケールの種を試験的に出荷した。
 袋井市などに拠点を置く農業ベンチャー「ハッピークオリティー」(宮地誠代表)は、人工知能(AI)を活用して自動で水やりを行いトマトを年中栽培する技術などのシンガポールへの輸出を目指し、現地企業と交渉中だ。宮地代表は「現地に合った栽培法を研究し、海外への技術輸出の可能性をさらに広げたい」と語る。

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