電動の四輪自転車 高齢者の「新たな足」 静岡県内メーカー活況

 運転免許を返納する高齢者の増加に伴い、自動車に代わる移動手段として電動アシスト付きの四輪、三輪の自転車や電動車椅子が注目を集めている。新型コロナ禍で人との接触を避ける形での外出ニーズが高まり、各機種とも販売は堅調という。2020年12月の道交法改正で四輪自転車の走行ルールが緩和されたり、ベンチャー企業が参入したりと社会や市場環境の変化も追い風になっている。

電動アシスト付き四輪自転車や電動車椅子などの商品群。安全性やデザインの向上、軽量化など開発が進む=浜松市西区
電動アシスト付き四輪自転車や電動車椅子などの商品群。安全性やデザインの向上、軽量化など開発が進む=浜松市西区

 「二輪の自転車より安定していて走りやすい。体力づくりにもなる」。森町の男性(85)はほぼ毎日、電動アシスト付き四輪自転車で外出する。
 免許を返納したのは1年半前。一時は二輪の自転車にも乗ったが「転びそうで怖い」と断念した。家族の勧めで昨年春に購入したのが四輪自転車。公共交通機関が少ない中山間地に住む男性は「車が運転できなくなって不便を感じている高齢者は多い」と話す。
 13年から電動アシスト付き四輪自転車を製造する協栄製作所(浜松市南区)の販売台数は、東京・池袋で高齢者による車の暴走事故が起きた19年度に前年比2倍の約300台に急増。20年度も200台を上回る見込みだ。道交法改正で70歳以上の四輪自転車の歩道走行が可能になり、同社役員は「車道を走らず、より安全に乗れるようになった」と喜ぶ。
 スズキのハンドル操作型電動車椅子「セニアカー」も、コロナ禍にもかかわらず20年度は前年比6%減の水準で推移する。80~90歳代の買い物や通院での利用が中心で、担当者は「免許返納者の需要は底堅い」とみる。
 複数社の電動自転車や車椅子を販売するセリオ(浜松市西区)は20年11月から電動四輪、三輪自転車のレンタルを始めた。免許返納者を親に持つ40~50代の問い合わせが多いという。同社は横浜市のベンチャー企業WHILL(ウィル)が開発した近未来的なデザインのレバー操作型電動車椅子も商品群に加え、高齢者に多彩な選択肢を提供する。

 <メモ>電動アシスト付き四輪、三輪自転車 いずれも電池を搭載し、ペダルをこぐ力をモーターでアシストする。県内の販売各社は購入希望者に事前講習を行い、運転できることを確認してから販売している。2020年12月の道交法改正で四輪自転車も二輪、三輪と同様に普通自転車に加えられた。同法では、普通自転車の運転に関し、70歳以上と13歳未満の人は歩道を通行できるが、歩行者の通行を妨げないよう定める。

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