浜名湖不漁は餌不足? プランクトン分布、静岡県が調査
(2021/1/12 20:01)-
アサリをはじめ浜名湖で深刻化する魚介類の不漁を受け、静岡県は、多くの小型生物の餌になる植物プランクトンの生息状況を調べている。本年度内に調査結果をまとめ、漁場形成などの資源回復策に役立てる方針。植物プランクトンは食物連鎖を底辺で支える重要な存在だが、水質の変化などで減っている可能性があり、水揚げ不振に危機感を強める地元漁師は増殖対策を期待する。
調査は2020年7月に始めた。21年2月まで湖内3カ所でプランクトンの種類や数量を定期的に調べ、過去のデータと比較する。県水産資源課の担当者は「プランクトンの分布が分かれば、多い水域でアサリの稚貝を育てるなどの対策につながる」と話す。
アサリは浜名湖最大の水産資源だが、19年の漁獲量は872トンと前年から半減。10年前の約7分の1の水準にまで落ち込み、過去最低だった。ハゼやキス、クルマエビなど、アサリを除く主要29種の水揚げもこの10年でほぼ半減している。
原因は特定されていないが、汽水湖の浜名湖では水温や塩分濃度の上昇、生態系を支える海草の激減などさまざまな環境変化が起きている。植物プランクトン減少も不漁の一因として考えられ、県は21年度以降も継続調査する方針。周辺地域で高度処理の下水道が整備され、水質浄化が進む一方、プランクトンの栄養源になる窒素やリンが大幅に減った可能性もあるとみられている。
浜名漁協(浜松市西区)の河合和弘組合長は「県の調査結果を踏まえ、浜名湖に浄化水を放流する周辺自治体には、環境に配慮した上で窒素やリンが適切な量になるよう調整してほしい」と訴える。
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