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コロナ直撃、急速に悪化 しずおか経済この1年

(2020/12/31 08:45)
静岡県内主要企業の株価推移
静岡県内主要企業の株価推移

 2020年の静岡県内経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が直撃し、多業種で急速に業績が悪化した。主力の製造業は移動制限や操業停止の傷が深く、回復の途上にある。外出自粛の影響で、観光や交通などは落ち込んだまま。雇用情勢や所得環境の変調から個人消費も勢いを欠いたが、巣ごもり需要を取り込んで急成長した業種もあった。経済活動が感染状況に翻弄(ほんろう)される状況が続き、先行きの不透明感は晴れない。

 ■株価 回復、大きな差
 新型コロナ流行に伴う混乱で3月にかけて一時的に下落した株価は、強力な金融緩和などを受けて反発し、実体経済とは懸け離れた高水準で推移した。東京株式市場は11月17日、日経平均株価が29年半ぶりに終値で2万6千円を上回った。28日の終値は2万6854円。
 県内関連は、大半の企業が3月中下旬に年初来安値を付けた。その後の持ち直しは業界ごとに明暗が分かれ、業界内でも各社の事業領域や戦略で回復速度に大きな差が出た。
 多くの企業が苦戦する中、自動車関連はスズキがインド市場の回復などを受けて年初を4・9%上回った。小糸製作所も次世代自動車への対応などが好感され、40・6%の上昇になった。
 長期化する巣ごもり需要を受けて、スクロールやエンチョーは好調に推移。利ざや縮小が続く金融は軟調で、静岡銀行は4・9%、スルガ銀行は31・0%の下落となった。
 静岡東海証券の内山景太社長は「世界的な金融緩和で株高基調が続くだろう。ワクチンの有効性が証明されるまでのスピード感と東京五輪の開催可否が焦点になる」と話す。

 ■消費 業態、商品で明暗
 個人消費は新型コロナ感染の影響で企業によって明暗が分かれた。巣ごもり需要を取り込んだ食品や衛生用品を扱うスーパーやドラッグストアなどは堅調だった一方、百貨店や大型商業施設は国の緊急事態宣言発令に伴う休業や時短営業を受けて大きく落ち込んだ。
 関東経済産業局がまとめた県内百貨店・スーパーの販売額(1~10月)によると、スーパーは前年同期比13・8%増の2996億円と前年を上回った。
 一方、県内3百貨店は22・0%減の476億4800万円。特に4月は、リーマン・ショック後の2009年3月の下げ幅を上回る64・2%減となるなど大きく落ち込んだ。10月に持ち直しの動きがみられたが、11月は感染再拡大で客足が再び伸び悩んでいるという。
 日本自動車販売協会連合会県支部によると、新車販売台数(登録ベース、軽自動車除く)は1~11月の累計は前年同期比14・1%減の8万1155台だった。県軽自動車協会のまとめでは軽自動車は8・7%減の7万1215台。10月以降は「コロナ禍の移動手段として自動車の価値が見直され」(同支部の担当者)、前年比10%以上伸びているという。

 ■雇用 求人、1倍割れ
 県内雇用は、米中貿易摩擦の影響に新型コロナが加わり、製造や宿泊、飲食業を中心に求人が冷え込んだ。県内有効求人倍率(季節調整値)は6月に0・96倍と6年5カ月ぶりに1倍を下回って以降、11月まで6カ月連続で1倍を割り込んでいる。
 輸送用機械器具関連の需要回復と国の観光、飲食業支援策を受けて9月以降は求人に持ち直しの兆しがみられるが、感染再拡大と観光支援策が一時停止されたことなどから12月以降の雇用情勢は先行き不透明感が広がっている。
 高校生や大学生らの就職活動も影響を受けた。2021年春卒業予定の高校生の求人数(11月末時点)は前年同期比2割減。大幅な求人減から進路を就職から進学に変更する動きもあり、高校生の就職希望者数は、統計が公表されている05年以降最少となった。

静岡県内主要企業の2020年株価騰落
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静岡県内百貨店・スーパー販売額の推移
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