観光地、厳しい年の瀬 静岡県内GoTo停止影響【新型コロナ】
(2020/12/30 11:30)-
政府の観光支援事業「Go To トラベル」の一時停止の影響で、静岡県内の観光地は多くの場所で来訪客が半減し、例年の年末の風景とは様変わりしている。停止の余波が比較的少ない観光地でも、土産物店などで売り上げが大幅に減り、書き入れ時にもかかわらず新型コロナウイルス感染拡大が影を落とす厳しい年の瀬となった。
本格的な正月休みに入った29日、富士山を望む景勝地の三保松原(静岡市清水区)。土産物店を営む望月英昭さん(76)は「帰省客が少なく、体感では例年の10分の1」と肩を落とした。車で訪れた都内の自営業の男性(58)は「高速道路が怖いほどすいていた。感染拡大地域から来た負い目もあるので日帰りで帰る」と帰路に就いた。
伊東市の道の駅「伊東マリンタウン」は例年、入場待ちの車列で渋滞が起きるほどだが、ここ数日の入場者数は前年比4~5割減。担当者は「覚悟していたが厳しい出足。今後が想像できない」と表情を曇らせた。
国民宿舎奥浜名湖(浜松市北区)のレストランは例年、年末の昼食時は満席になるが、今年は客足もまばら。担当の渡部尚樹さん(50)は「Go To停止による落ち込みが大きい」と落胆する。同市西区の遊園地「浜名湖パルパル」もこの時期の来場客は前年の半分。小杉元則副支配人(53)は「周辺の旅館やホテルの宿泊客が減り、影響を受けている」と話した。
一方、熱海市のJR熱海駅前は、例年より人出はやや少ないものの、一定のにぎわいを見せた。和菓子店の男性経営者(79)は「日帰り客が多い。これまで客の約4割が地域共通クーポン利用者だった。Go To停止は痛い」とこぼした。下田市で開催中の「伊豆下田水仙まつり」も来場者は例年の8割ほど。売店を営む田中昌美さん(77)は「店の売り上げは例年の半分。花を見たらすぐに帰る人が多い」と嘆く。
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