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来春の大卒、内定率急落61.7% 静岡労働局10月末時点

(2020/12/1 10:01)
2021年春の求人情報をメールなどで未内定者に発信する常葉大キャリアサポートセンターの職員ら=11月下旬、静岡市駿河区
2021年春の求人情報をメールなどで未内定者に発信する常葉大キャリアサポートセンターの職員ら=11月下旬、静岡市駿河区

 静岡労働局が30日発表した2021年春卒業予定の大学生の10月末時点の就職内定率は、前年同期比6・5ポイント低下の61・7%と、下降幅はリーマン・ショック後の11年春の7・7ポイント低下以来の落ち込みだった。前年過去最高を更新した高卒者の求人数も23・8%マイナスと大幅な減少に転じ、新型コロナウイルス感染拡大の影響が鮮明になった。
 専修学校生(15校抽出)の内定率も下落が大きく、11・4ポイント低下の62・5%で、10年春(20ポイント低下)に次ぐ下げ幅。前年に過去最高を記録した県内大学生女子は7・1ポイント低下の67・6%に下降した。大学生男子の内定率も7・1ポイント低下の56・8%と低い水準だった。短期大6校は6・0ポイント低下の47・6%。
 谷直樹局長は「景気の先行き不透明感から求人を絞り込む動きが観光業関連でみられる」と指摘。感染症対策から学校内で企業説明会が開催できないなど、学生と企業が接点が持ちにくい状況も内定率の低下につながっているとみる。
 同日発表した高校生の求人倍率は2・09倍で、前年同期比0・40ポイント低下した。10月末時点の内定率は前年同期比11・2ポイント低下の73・0%。高校生の採用選考活動はことし、新型コロナ感染拡大に伴う休校期間に配慮して例年より1カ月遅れとなっている。

 ■売り手市場一変 選考厳しく 企業開拓など 学校支援強化
 人手不足を背景に続いてきた新卒者の売り手市場は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で状況が一変した。「学生たちが内定を手にするまで、幅広い業種、職種を提示していくしかない」と就職支援にあたる職員は求人開拓やサポート強化に奔走する。
 「早期にインターンシップ(就業体験)を介して企業と接点を持っていた学生と、就活スタートが感染拡大期と重なってしまった学生とで状況が二極している」。常葉大キャリアサポートセンターの望月敏弘課長は話す。
 10月末現在の同大就職希望者の内定率は60%と前年より10ポイントほど低い。望月課長は「昨年まで採用計画数より多く内定を出していた大手が、ことしは選考水準を上げて絞り込んでいる印象」と指摘。「これまで新卒を確保できていなかった中小企業の採用意欲は依然高い」と、未内定者への情報発信を続ける。
 落ち込みが際立つ専門学校もコロナ禍の支援を模索する。航空や観光系の学科を持つ静岡インターナショナル・エア・リゾート専門学校(静岡市葵区)は例年、11月下旬にほぼ全員の進路が決まっているが、ことしの内定率は約8割。観光業の採用活動が停滞した3月以降、求人が出ていない企業を職員が訪ねて採用枠を開拓し、本来希望した職種以外で専門性を生かせる分野を提示するなどサポートを手厚くする。
 昨年まで3年連続で過去最高を更新した高校採用にも陰りが見え始めた。浜松東高校(浜松市東区)の柿沢広之進路指導主事は「リーマン・ショックの時ほど深刻ではないが、女子学生の希望が多い事務系の求人が激減し、競争が激化している」と分析。今年の高校生の選考活動はコロナの影響で例年より1カ月繰り下げになっているため「進路が決まっていないことへの焦りや不安を取り除くサポートが重要」と強調する。

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