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御殿場アウトレット、進化の20年 戦略的拡張で国内客堅調

(2020/11/20 19:53)
開業20周年を迎えた御殿場プレミアム・アウトレット。6月には新エリア「ヒルサイド」をオープンした=10月下旬、御殿場市
開業20周年を迎えた御殿場プレミアム・アウトレット。6月には新エリア「ヒルサイド」をオープンした=10月下旬、御殿場市

 2000年7月に開業し、今年20周年を迎えた御殿場市の御殿場プレミアム・アウトレット。売り上げ1千億円が目前に迫る中、新型コロナ感染症の拡大で約1カ月半の休業を余儀なくされた。増加が続いた訪日外国人客が途絶え打撃を被ったものの、国内客は堅調だ。背景に、首都圏の客を取り込みつつ「飽きさせない」戦略的な施設拡張が奏功している。年間延べ1千万人が利用する売り上げ日本一のアウトレットモールの今を探った。
 横浜、品川、川崎-。10月下旬、平日にもかかわらず県外ナンバーの車が駐車場に並ぶ。6月の新エリアのオープンで、売り場面積は約6万1千平方メートルと国内最大になった。店舗数は約290。
 成長の要因は恵まれた立地だ。都心から1時間半程度で、箱根や富士五湖といった大観光地と富士山に近い。
 施設の拡張は3回を数え、売り場面積は開業時の3倍超に。客のニーズの変化に即応したテナントの入れ替えを図り、何度も足を運べる施設づくりに努めてきた。
 注目の新エリア「ヒルサイド」は飲食店舗を増やし遊戯施設を新設。昨年12月には敷地内に宿泊、温泉施設が開業し、加藤周司支配人(46)は「買い物プラスアルファを提供できるよう考えた」と明かす。
 年間延べ利用者数(レジ通過客数)は09年度に初めて1千万人を突破した。以来1千万人前後で推移し、18年度の売り上げは約946億円で過去最高を記録。開業当初の4・5倍超になった。
 運営会社の三菱地所・サイモンによると、19年のアウトレットモールの市場規模は約9千億円。百貨店(約5兆7500億円)などと比較し、伸びしろが大きいと捉えている。

 ■市内回遊に課題
 逆境の中、存在感を高める御殿場プレミアム・アウトレットだが、課題は「恩恵はない」との声が漏れる地域経済への波及効果だ。開業は御殿場市の来訪者数を一気に押し上げたものの、市内の商店関係者は「にぎわいは施設の中だけ」と指摘。施設利用者に市内回遊を促す仕組みづくりは長年の課題になっている。
 市観光交流課によると、1990年代に200万~350万人で推移していた市の観光交流客数は2001年度に約920万人に激増。03年度に1000万人を突破した。14年度~18年度は1400万人を超え、静岡と浜松の両政令市に次いで県内市町で3位。担当者は「多くの人に御殿場を知っていただく機会ができる」と話す。
 それでも、市の玄関口である御殿場駅周辺の商店街は閉店が相次ぎ空き店舗が目立つ。60代の女性経営者は「アウトレットから来る客はほとんどいない」とこぼす。
 市と市観光協会などは18、19年度にアウトレット利用者に市内回遊を促すキャンペーンを実施し、計約3800人が各地に足を伸ばした。
 市内では近年宿泊施設が増加し、19年度には宿泊者数が初めて100万人を突破した。市観光協会の芹沢明彦事務局長(56)は「滞在時間が長くなれば消費活動の時間が増える。デジタルツールを活用して観光施設や商店の魅力をPRしたい」と前を向く。

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