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内装職人のアイデアを形に 中小技術者が結集、道具試作品完成

(2020/11/13 11:45)
完成したカッターの試作品(右)。中央奥のカバーを掛け、突き出した刃でシートを切断する。左は3Dプリンターで製作した模型
完成したカッターの試作品(右)。中央奥のカバーを掛け、突き出した刃でシートを切断する。左は3Dプリンターで製作した模型
試作品を元に改善について意見を交わす技術者と桜田昌弘さん(左)=10月中旬、浜松市東区の池田木型製作所
試作品を元に改善について意見を交わす技術者と桜田昌弘さん(左)=10月中旬、浜松市東区の池田木型製作所

 「こんな道具があればもっと作業が楽になるのに」。静岡市内の内装職人のアイデアを具現化しようと、設計や金型製作、機械加工など県内中小企業で働く技術者たちがチームを組み、道具の開発を進めている。このほど試作品が完成し、完成に向けた改良作業が大詰めを迎えている。
 製作中の道具は、建物の床にシートを貼る際、壁との境目に合わせて切断するための手持ちのカッター。アルミニウム製の土台に刃を取り付けて使用する。同市清水区の内装職人、桜田昌弘さん(53)が「市販品は部屋の隅などの角までは刃が届かず、別の道具との併用が手間となっている」と、数年前から形状の工夫を模索してきたという。
 桜田さんは、弁理士や知的財産活用支援の県発明協会(同市葵区)に相談してアイデアを特許出願。2019年4月に同協会の仲介で「実際に道具を作り、同業者に販売したい」と機械開発の石川総研(同市駿河区)の石川雄策社長(71)に製品化を打診した。
 当初は「『やめておいた方がいい』と伝えた」と石川社長。耐久性から道具は金属製にする必要があり、具現化に数百万円必要だった。ニッチな商品で、どの程度販売できるかも見通しにくい。しかし、桜田さんの熱意を受けて石川さんが県内技術者仲間に協力を呼び掛ける形で、同年秋から開発がスタート。設計、3Dプリンターでの立体化、鋳造などの工程を経てこのほど、試作品が完成した。
 10月中旬、浜松市内に技術者が集まり、桜田さんから改善箇所を確認した。加工担当の村松精機(同市北区)の鈴木豪さん(40)は「ユーザーから話を聞き、各分野の技術者が一つの商品を作り上げる機会はあまりない。ものづくりの楽しさを再認識している」と話す。

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