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静岡茶首位陥落の危機 秋冬番も大幅減産、2位鹿児島肉薄

(2020/11/10 17:15)
静岡県と鹿児島県の荒茶生産量の推移
静岡県と鹿児島県の荒茶生産量の推移

 秋に生産され、ペットボトル飲料などの原料になる静岡県内産秋冬番茶の取引にめどがつき、2020年の茶生産がほぼ終了した。県内は安値相場で取引が低迷した一、二番茶の流れを引き継ぎ、年間を通した生産量は大幅な減産になる見通し。毎年、生産量2位の鹿児島県との差が縮まっており、本県が日本一の座を守ることができるか、注目が集まっている。
 今期の秋冬番茶は夏の長雨や相場の不振から、生産量は前年比20~15%程度の減産になる公算が大きい。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛でペットボトル飲料の売れ行きが低迷し、単価は5%安となりそうだ。
 長年トップの座を守ってきた本県は、鹿児島に猛追されている。00年に生産量で2倍以上の約2万トンの差があったのが、10年に1万トンに迫られ、19年は本県2万9500トン、鹿児島2万8千トンと全国シェアは2ポイント差に縮まった。
 今期の一番茶は農林水産省の統計によると本県が前年比14%減の9420トンに対して、鹿児島は3%減の8010トンと減少幅が小さかった。二番茶以降の確定値の公表は毎年翌年2月となるが、JA静岡経済連の推計では県内二番茶は19・9%減の6100トン。秋冬番茶までを含めた年間生産量は2万5千トン前後と過去最低となりそうだ。
 鹿児島の茶を扱う茶商によると、同県も減産傾向だった。契約栽培が増えているため生産量の把握は難しいが、「静岡と比べて大規模化などの基盤整備が進み、茶園が減少していないことから、静岡ほどの減産にはなっていない」とみる。
 静岡県中部の茶農家は本県の生産量の減少について「茶相場が低迷していることが最大の要因。他の農作物に転換した方が収入が安定する」と指摘する。県内茶園は急傾斜地が多く「基盤整備の遅れで高齢の生産者にとって労働負担も大きい。もうからないと担い手が育たない」と話す。
 県茶業会議所の伊藤智尚専務理事は「首位陥落となれば、将来的な静岡茶のブランド力低下につながる。静岡の茶産業へのダメージは小さくない」と危機感を強めている。

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